基礎研究を並行で行なえる
ハドロン実験施設
MRから陽子ビームを受け取る施設その1であるハドロン実験施設。MLFが産業向けの研究中心であるのに対して、ハドロン実験施設は複数の基礎研究を効率よく行なえる施設である。
ハドロンとは、強い相互作用で結合した複合粒子のことで、2つ以上の素粒子が結びついた粒子のこと。ただハドロンのうち、陽子や中性子はその辺に多くあるのだが、中間子やΛ粒子などは地球上で自然に生じておらず、2次宇宙線の中に存在している。
効率よく実験するために、陽子ビームを金属製ターゲットに当てて、人工的に必要なハドロンを作り出し、質量の起源や中性K中間子稀崩壊探索実験、ハイパー核の性質を探るなどをしている基礎研究の場という覚え方でいいだろう。
なおハイパー核は、通常には存在しないクォークを含む原子核のこと。Λハイパー核やΛΞハイパー核ダブルΛΞハイパー核などがあり、音読するとテンションがアップする不思議ワードでもある。とりあえず「だぶるらむだくすいーはいぱーかく!」と唱えてみよう。
内部はというと、大半が遮蔽体の中にあり、一部の実験室が露出しており、遮蔽体の隙間を移動するような感じで通路が形成されていた。
ステキな空間なのだが、取材時は時間の関係もあってごく一部を駆け足で巡っただけであり、正直、なんだかスゴイところ、ホイストがデカくてカッコイイで頭が止まってしまっているので、また機会を作ってウロウロしてみたい。