周長350mのRCSで
光速の97%にまで加速
RCSは周長350mの加速リングで、ビームを曲げるための偏向電磁石とビームを収束させるための4極電磁石、ビームエネルギーの広がりによるズレを補正する6極電磁石が主要構成となる。
LINACから入射された陽子ビームを周回させ、高周波加速装置で1秒間に25回加速して、3GeV(光速の97%)までにする。周回数は約1万5000回。
RCSからMRと物質・生命科学実験施設への分岐点には、キッカー電磁石とセプタム電磁石、パルス電磁石があり、これらで進行方向を変えて、陽子ビームを送っている。ポイントとしては、他に比べて電磁石がずんぐりむっくりで、どこか愛嬌のあるところだろうか。
この時点での出力は1MW。RX78-2ガンダムのビーム・ライフルは1.9MWの出力なので、およそ半分ほどの出力というと、なんとなくイメージできるかもしれない。ただ、陽子ビームは大気中では即時拡散してしまうため、あくまで出力の話だ。ミノフスキー粒子があれば、また話は別かもしれないが(ミノフスキー粒子で思い出したが、他の研究所取材でも、まず話に出てくる存在になっている)。