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1000兆個/sのニュートリノも撃ち出すぞ!!

大強度陽子加速器施設J-PARCの陽子ビームは世界一ィィィ!

2016年11月12日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村

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周長350mのRCSで
光速の97%にまで加速

 RCSは周長350mの加速リングで、ビームを曲げるための偏向電磁石とビームを収束させるための4極電磁石、ビームエネルギーの広がりによるズレを補正する6極電磁石が主要構成となる。

 LINACから入射された陽子ビームを周回させ、高周波加速装置で1秒間に25回加速して、3GeV(光速の97%)までにする。周回数は約1万5000回。

黄色が6極電磁石、赤4が4極電磁石、青が偏向電磁石になる

ずんぐりむっくりとした電磁石で、すべてHITACHI製

高周波加速装置は12台ある

 RCSからMRと物質・生命科学実験施設への分岐点には、キッカー電磁石とセプタム電磁石、パルス電磁石があり、これらで進行方向を変えて、陽子ビームを送っている。ポイントとしては、他に比べて電磁石がずんぐりむっくりで、どこか愛嬌のあるところだろうか。

 この時点での出力は1MW。RX78-2ガンダムのビーム・ライフルは1.9MWの出力なので、およそ半分ほどの出力というと、なんとなくイメージできるかもしれない。ただ、陽子ビームは大気中では即時拡散してしまうため、あくまで出力の話だ。ミノフスキー粒子があれば、また話は別かもしれないが(ミノフスキー粒子で思い出したが、他の研究所取材でも、まず話に出てくる存在になっている)。

分岐点。左が物質・生命科学実験施設、中央がMRへの入射になる。また電磁石の色が派手になっているが担当者が好きに決めているとのこと

LINACからの入射部。右にふたつの試射ラインも見える

左がRCSの加速リング、右がLINACからの入射ライン

ビーム径は最大20cmになるため、真空バルブが太い

取材時はメンテナンス中だった

物質・生命科学実験施設とMRへ送るビームラインの分岐点。キッカー電磁石でバンチを弾いている

地上部の管理棟の一角にてLenovoの法人向けPCとThinkplus USBトラベルキーボードを発見

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