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世の中になくて、人が驚いてくれる製品を開発できないか

「MOVERIO BT-300」 - エプソンが挑むAR / スマートグラスのあるべき姿

2016年11月22日 11時00分更新

文● 小山安博 編集○ハイサイ比嘉

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エプソン「MOVERIO」シリーズを後押しした他社製品

 そうした流れの中、BT-100は、1年半の設計期間を経て11年に発売。津田氏は、開発期間が短く「だいぶ無理をした」と話す。「1回、モノを作ると反省点が山ほど出てくる」と振り返る津田氏。しかし、このBT-100があったからこそ「短期間でここまでこれた」と胸を張る。

 このBT-100から、エプソンでは左右のディスプレイの表示をひとつに合成して表示する方式を採用した。その後登場したGoogle社製 Google Glassは、片目に装着するタイプで、まさに「スカウター」タイプだったが、結局、コンシューマ向けとして発売されることはなかった。

 当時Google社製 Google Glassを知った津田氏は、実は「考え方には疑問を持った」と明かす。その理由は、片目だけに表示する単眼の仕組みを採用したことだ。片目だけに表示すると、どうしても「視野闘争が起きる」(同)。そのため、「エプソンでは両眼タイプを採用した」と津田氏は強調する。

視野闘争という現象を考慮し、「エプソンでは両眼タイプを選択した」と津田氏は強調する

 人間の脳は片目からの情報のみを処理するため、左目と右目で異なる画像を見たとき、視野闘争として知られる現象が発生する。片方の画像のみが意識に上り(もう片方の情報は遮断される)、しかもランダムに意識に上る画像が入れ替わるというもので、そのメカニズムはいまだ解明されていない。そのためユーザーの快適さや安全性を考慮し、「MOVERIO」シリーズのような両目タイプを選択した。

 「Google社は発信がうまい」(同)こともあり、結果的にMOVERIOのようなスマートグラスに対する注目につながり、感謝しているそうだ。

両目タイプにこだわり続けた「MOVERIO」

 エプソンが両目にこだわったのは、先に挙げた快適さや安全性は当然ながら、「映像を見てもらうのが主眼だった」(津田氏)からだ。外出先や移動しながらでも大画面で映像を見られるのはスマートグラスの特徴であり、そのためには「目隠し」状態にはできないというのが原点にあった。

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