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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第45回

米軍戦闘機に搭載されているコックピットクロックを買いました

2016年09月26日 19時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

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もちろんミルスペック準拠でストップウォッチ付き

 米軍のコックピットクロックは、ウォルサムのほかエルジンやハミルトン、ロンジン、ティソなどなど、聞いたことのあるメーカーが作っています。ワタシが購入したのはウォルサム(WALTHAM WATCH CO.)製のTYPE A-13Aというモデル。正式名称はCLOCK, AIRCRAFT MECHANICAL TYPE A-13Aで、メカニカルという名称のとおりゼンマイを巻く機械式の時計です。もちろん、ミリタリーグッズではおなじみの軍が使用する物品の規格を決めるミルスペックに準拠。MIL-C-6499という規格に則って作られています。

 MIL-C-6499ではケースや針、ノブ、文字盤などといった各パーツの材質やサイズ、デザインを決めているほか、ストップウォッチ機能の搭載、軸受けの人工宝石は15石以上であること、-35度でも6時間で75秒以上ズレないことなど、さまざまなスペックが定められています。A-13Aは22石で、ゼンマイを目一杯巻くと8日間動作します。

 ケースはアルミ合金であることのほかに、色も決められています。耐久性のあるつや消し黒で、色は37038 of FED-STD-595。FED-STDはFEDERAL STANDARDのことで、米国連邦基準みたいなものです。FED-STD-595は塗料に関する規定で、37038は色番号。一番左の数字は光沢のレベルを表わしていて、1は光沢、2は半つや消し、3はつや消し。3なのでつや消しになります。

 次の数字、7は色の分類。0=茶、1=赤、2=オレンジ、3=黄色、4=緑、5=青、6=灰色、7=その他(白、黒、紫、メタリック)、8=蛍光色となっています。

 3番目から5番目までの3桁は色の明るさ順に割り当てられていて、小さいほど暗い色になります。新色の追加ができるよう、飛び飛びの数字になっています。038なのでほぼ真っ黒ですね。ウチのハンヴィーは3色迷彩で、黒いところは37030。さらに暗いはずですが、ほとんど差がないような気もします。

 盤面には8 DAYS、WALTHAM、TYPE A-13A、USAFの文字が書かれていますが、黒地に黒い文字なのでパッと見は全然読めません。時間を読み取る時に邪魔だからかも。

縦横6センチ、奥行き4センチほどの手のひらサイズ

背面。なぜかラベルが横倒しになっていました

メーカー名やモデル名は黒地に黒文字なので、実際にはほとんど見えません

 このA-13Aの正確な製造年は不明ですが、たぶん1960年ごろ。米空軍のF-4ファントムやC-130ハーキュリーズなどで使われていたそうです。現代の時計は電波時計を筆頭に正確さを誇る物が多いですが、A-13Aは正確さは二の次で、耐久性と文字盤の見やすさ、故障の少なさに重点が置かれています。正確な時間との差は、4日間で毎日平均30秒まで許されているので、なんだかのんびりした感じです。

 MIL-C-6499の規定どおり、ストップウォッチ機能を搭載。針が4本あって、太い2本が時計、細い針がストップウォッチの秒針、矢印の形をしているのがストップウォッチの分針です。左下の大きなノブは、ゼンマイと時間合わせ。右に回すとゼンマイを巻くことができ、引っ張って回すと時間合わせになります。腕時計と同じですね。

 右上の小さいボタンはストップウォッチ用。一度押すと計測がスタートし、もう一度押すとストップ。さらにもう一度押すと、秒針分針とも12時の位置に戻ります。

 となるはずなのですが、なんか分針が変。時計をトントンと叩くと動いてしまいます。どうやらムーブメントから出ている軸から外れかかっている模様です。文字盤やガラスの裏にホコリもあるし、掃除のついでに直してみることにしました。

左右の太い針が時計の短針と長針、5を指している細い針はストップウォッチの秒針、60を指している矢印はストップウォッチの分針。数字や目盛り、針はつや消しの白。カラーナンバーは37875。夜光塗料ではありませんでした

ゼンマイを巻くノブ。引っ張ると時刻合わせができます

ストップウォッチのスタート/ストップ/リセットのボタン

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