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美容業界のUberとなるか?ユーザー目線のわがまま予約に注目のrequpo

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美容だけでなく「予約」が行われている他業種にも広げたい

 ついに4度目の創業。2015年12月から本格的に調達に動き、2016年3月にシードファイナンスにより1400万円を獲得。資金調達後、体制が整ったところで、デモ版を使ったテスト運用を開始した。あとは冒頭にある通りの快進撃が現在も続いている。

 「毎日、全国の美容師さんから利用希望の連絡が来ている。ただ、無制限に登録してしまうと、地域によってユーザーとの人数差が出てしまい、マッチングサービスとして成り立たなくなってしまう。まずは東京エリアでマッチングをきちんとすることを目指し、ほかのエリアは事前登録という形で利用開始を待っていただいている」(木崎氏)

 ユーザー数も美容師数も順調に増えているようなので、このまま全国展開を目指すかと思いきや、「ユーザーの利便性と利用頻度を最大化するために、横展開を先に考えている」と木崎氏。つまり、東京を中心に、美容師への予約だけでなくほかのカテゴリーの予約サービスも手がけると言うことだ。

 実際、まつエクやネイル、エステなどにもリクエストが出せるようにサービスを改良中だそう。「ビジネス面では、美容師を予約するユーザーがネイルやまつエク、エステのリクエストを出すようになると、1ユーザーあたりの売上が数倍になるというメリットもある」(木崎氏)

 将来的には、美容領域だけでなく、情報掲載の仕組みによる店舗や企業側の都合に合わせた従来型の予約システムを採用する他業種の予約の仕組みのリプレイスも目指していきたいと意気込む。


「ユーザーニーズは、確実にある」

 現状あるビジネスからスライドさせるのが難しく、他社が同様のサービスができないという点で、あくまでユーザーメリット第1の発想を極めたところが『requpo』の面白い部分だ。独特なサービスだが、木崎氏はその仕組みを考えた際、他サービスを参考にしておらず完全にゼロベースで設計したと話す。

 起業を志す人が「Uberみたいなものを作りたい」とあこがれても、そう簡単に「それまでなかった」サービスはできない。同じく企業内での新規事業立ち上げの場合でも、わかりやすく既存サービスを食うリスクがある事業は理解もされないし、既得権益が当然優先される。

 ウェブサービスも出尽くしたように思えてしまうが、誰かがあきらめた仕組みで、できることはまだまだあるのではないかと思えた。ちなみに同社は、ビジネスモデル特許として『requpo』のサービスを出願している。

 今後、プラットホームとしての美容師の質といったクオリティ担保も当然求められるが、多数ある美容師側の申し込みに対して、アシスタントではなくプロのスタイリストであることを登録の条件にしている。アカウントも美容師個人に紐づくため、リクエストは全美容師に平等に通知される。設立1年目でも有名店舗の美容師でも、ユーザーに良い提案をしさえすれば選んでもらえるチャンスが平等に用意されている。広告とは真逆でのアプローチで自浄作用を働かせ、フラットなプラットホームを形成する狙いだ。

 今後の『requpo』は、メインであるヘアサロン予約について、現在の表参道・原宿・渋谷エリアから、銀座・恵比寿・代官山といった人気エリアと都内全域へ段階的に広げていくという。現在のiOSアプリに加え、近々Android版もリリース予定だ。とは言え、20代女性のiPhone利用率は非常に高いため、直近では大きな問題ではない。

 「ユーザーニーズは検証を繰り返し、確実にあることがわかっている。今はUXを充実させて、満足度を最大化するサービスにしていきたい」(木崎氏)

 本気でユーザーの立場から作られた新しいサービス『requpo』。ユーザーと美容師の数のバランスがポイントになるが、大きなニーズが見込めるので順調に立ち上がりそう。横展開も含めて、今後の活躍に期待したい。

●株式会社リクポ
2015年12月設立。日本初の"検索がいらない"美容室予約アプリ『requpo(リクポ)』をサービス運営。美容室も数多い原宿にオフィスを構え開発を行っている。
2016年3月には、TLMとエンジェル数名から1400万円を調達。7月末にサービスを正式リリースすると、1000名以上のユーザーを獲得。現在サービス規模拡大に向けて、シリーズAの準備を行っている。
社員数は2016年9月時点で6名。役員候補をはじめ、フロントエンドエンジニア、インフラエンジニア、マーケター、デザイナー、インターンを募集中。

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