DSEE HXで選べる5つのオーディオモード
DSEE HXはCDをリッピングした音源で試したが、こちらも新ウォークマンと同じく、スタンダードのほか、ストリングス、女性ボーカル、男声ボーカル、パーカッションといった5つのモードが選択可能だ。
古いロックの名盤を聴いたが、スタンダードにすると音がふくよかになって、元のアナログ音源のような柔らかさが出る。音の感触は柔らかいのだが、ギターのリフやドラムなどの音のエッジが甘くなりすぎないのはいい。
5つのモードを比べてみると、男性ボーカルは中低域の厚みの増した重厚感があり、女性ボーカルは中高域の伸びや澄んだ透明感が出る。パーカッションは出音の立ち上がりの鋭さがしっかりと出る印象で、ストリングスは胴の鳴りが増した低音域に力のある傾向だった。
こうした違いも面白いし、音質調整機能としては肝心の音質的なダメージもほとんど感じないので、積極的に楽しめる機能だと感じた。
ソニーが追求するハイレゾ時代の
原音忠実再生を感じられる製品群
新ウォークマンのNW-WM1A/WM1Zから始まって、ヘッドフォンのMDR-Z1R、今回のTA-ZH1ESと聴いていくと、滑らかで自然な感触や生音を感じさせるリアリティーが共通した傾向だと感じた。
ハイレゾ時代の高解像度や情報量の豊かさはきちんと備えているが、その先にあるハイレゾ時代の原音忠実再生を究めようとしているようにも思える。
こうした音を聴いていると、やはりスピーカーやプリメインアンプなどにも期待したくなってくる。
特にTA-ZH1ESの出来を考えると、ぜひともS-Master HXを使ったフルデジタルアンプでスピーカーを鳴らしてみたいと思う。ここはぜひとも期待したいところ。
ソニーフラッグシップモデルであるSignature Seriesは、どのモデルも高価だが、一聴の価値のある製品であることは間違いない。そして、これらで生まれた技術を継承した身近なモデルが登場することもおおいに予想できるので、そちらにも期待したいところだ。
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