不安はLightningケーブルの耐久性のみ
ただ、Lightningケーブルには不安があります。レビューのために1週間程度の試用したくらいではなにもわかりませんが、ケーブルの耐久性がどれくらいなのか。
ご存知のように、Apple純正のLightningケーブルはプラグの付け根が弱く、使っているうちに被覆が裂け、放っておくと断線します。断線を防ぐために、あらかじめ付け根の部分にテープを巻いて補強してみても、結局テープを巻き終わったところから被覆の破断が始まるだけで、根本的な解決にはならないようです。
JBLがAppleのように耐久性の低いケーブルを使っていないとしても、Lightning端子は円筒状のミニプラグと違って、差し込んだ状態で回転しないため、ねじれ方向の力にも弱いのは確かです。そこが、ちょっと不安。それを除けば、Lightning接続のイヤフォンには可能性を感じています。
それはDACアンプ側でドライバーの特性に最適化したチューニングが可能なこと。たとえばマルチドライバーのイヤフォンなら、個々のドライバーに対して専用のアンプを設定し、それぞれ音量や特性の最適化を図るといった、これまでにない手法も採れるからです。
次にどんな製品が出てくるのか。そして本当に次期iPhoneからイヤフォン端子は消えているのか。ウワサによると9月発表ということなので、楽しみにしておきたいと思います。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ