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フェイスブックのOffice 365採用、Windows 10サブスクリプション価格などのトピックも

マイクロソフト“3つの野心”、WPCで披露された今とこれから

2016年07月19日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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フェイスブックも「Office 365」採用、業務効率性をさらに強化

 続いて登壇した同社 オフィスマーケティング担当コーポレートバイスプレジデントのカーク・コーニグスバウアー氏は、「プロダクティビティとビジネスプロセス」について講演した。同氏がまず指摘するのは、人々の働き方や働く環境が激変している事実だ。

米マイクロソフト オフィスマーケティング担当コーポレートVPのカーク・コーニグスバウアー氏

 「人々は、5年前に比べて2倍の仕事をこなしており、リモートで仕事をする人は10年前に比べて4倍になっている。そして、2020年までに米国における労働力の半分はミレニアム世代となり、『同時に複数の仕事をやる』という人が増える。一方で、世界にあるデータの9割がこの2年に作られたデータであり、シニアマネージャーの80%が情報をオンラインストレージにアップロードしている」(コーニグスバウアー氏)

 そうした変化の中で「デジタルトランスフォーメーション」が進展しており、それを支えるのが、コラボレーション、モビリティ、インテリジェンス、トラストという4つの能力を兼ね備えたOffice365だと、同氏は語る。

 「Office 365は発売から5年を迎え、7000万人が利用。50%以上の年成長率を遂げている。Exchange Onlineも広がっており、大手企業のEメール利用環境においては80%のシェアを持っている」(コーニグスバウアー氏)

 さらに今回の講演では、新たなニュースとして、米フェイスブックがOffice 365を導入したことを発表。30カ国に展開する同社の社員、1万3000人が使用し、業務効率化につなげていくという。

 ゲストとして登壇したフェイスブックCIOのティム・コンパス氏は、「10億人の利用者を支え、サービスを提供し続けるためには、社員が最も力を発揮できる環境が必要」だったと、同社がOffice 365を必要とした理由を説明した。「これからもOffice 365は進化しづつけるだろう。Office 365の明日に対しても期待している」(同氏)。

フェイスブックCIOのティム・コンパス氏が登壇し、同社がOffice 365を採用した背景と期待を語った

 またコーニグスバウアー氏は、6月からOffice 365において「Advanced Security Management」の一般提供を開始したこと、ExcelとPower BIのさらに深い統合を行ったこと、新たに「Delve Personal Analytics」の提供を開始したことを発表した。

 Skypeでは、Skype Operation Frameworkの公開に踏み出すなど、継続的に投資を行っていることに触れ、「Skype for Businessは、クラウドベースでリアルタイムなコミュケーションサービスを提供する唯一のものである」とした。 何千人もの利用者が一緒に閲覧できる「ブロードキャストミーティング」を年内にサービス提供開始すると述べ、その機能を紹介している。

年内には何千人もが同時に利用できる「ブロードキャストミーティング」を提供する

法人向けWindows 10のサブスクリプションは月額7ドル、Surfaceのリースも

 「革新的なパーソナルコンピューティング」については、同社 ウィンドウズ&デバイス担当コーポレートVPのユセフ・メーディ氏が説明した。

米マイクロソフト ウィンドウズ&デバイス担当コーポレートVPのユセフ・メーディ氏

 メーディ氏は、セキュリティに対する要求が高まっていること、デジタルトランスフォーメーションのためにインタラクションを簡単にしなくてならないこと、“Mixed Reality(MR)”などの新たな世界においてビジネスチャンスが広がろうとしていることなどを挙げ、そこでWindows 10の価値が発揮されると語る。

 Windows 10の広がりは“Windows史上最速”のペースだという。世界ではすでに3億5000万人がWindows 10を使用しており、96%の企業で検証が始まっている。

 「Windows 10ではセキュリティが大幅に強化されている。また、8月2日から公開するWindows 10 Anniversary Updateでは、セキュリティやCortanaの強化、HoloLensもサポートしていく」(メーディ氏)

8月にリリースされる「Windows 10 Anniversary Update」では、セキュリティ機能やペン機能の強化、HoloLensへの対応などが行われる

 法人向けの新たなサービスとして、今秋にも「Windows 10 Enterprise E3」を投入する。これは、Windows 10 Enterprise Editionをサブスクリプションモデルで提供するもので、Office 365などと同様に、CSPパートナーから中小企業などへの販売も想定している。

 「Windows 10 Enterprise E3は、コーヒーとドーナツの価格と同じ程度の1シートあたり月額7ドル。IT部門や専任担当者を持たない中小企業などにおいて、Windows 10 Enterprise Editionが備えるエンタープライズクラスのセキュリティ機能を利用できる」(メーディ氏)

 また「Surface as a Service」と呼ぶ、Surfaceをリースで提供する新たなプログラムも用意。Windows 10、Office 365とともに提供する。さらに、昨年、デルとの提携により発表した「Surface Enterprise Initiative」には、IBMとブーズ・アレン・ハミルトンが新たに参加。今後、両社を通じてSurfaceの取り扱いが開始される。

 HoloLensについては「2020年までに、年間8000万台のARおよびVR対応デバイスが出荷されることになるが、その中でHoloLensは、ホログラフィックの世界を切り開いていくものになる」と説明。活用事例のひとつとして、ゴルフツアーのPGAにおいて、すべてのホールのショットと得点を統計情報として収集。これを試合や練習に応用するといったデモストレーションが最後に行われ、基調講演は幕を閉じた。

PGAによるHoloLensを利用したデモストレーションも行われた

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