ベンチマークでパフォーマンスを計測
「MX300」の最大のウリは向上した耐久性だが、パフォーマンスも気になるところ。ここからは、主要ベンチマークテストの結果を見ていこう。なお、テスト環境は以下の通りで、別のシステムSSDからOSを起動。「MX300」にはデータが書き込まれていない状態でテストを行なっている。
今回、比較対象は用意しなかったが、SanDisk「Ultra II SSD」、Crucial「BX200」、Patriot「BLAST」の960GBモデルを「今なら3万円! 960GB格安SSDの売れ筋3製品をチェック」でテストしているので、参照してもらいたい。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i7-6700K」(4GHz/TB時4.2GHz、4コア/8スレッド) |
マザーボード | ASUS「Z170M-PLUS」(Intel Z170 Express) |
メモリー | G.Skill「F4-3000C15Q-32GRK」(PC4-24000、8GB×2) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 530(i7-67600K内蔵) |
SSD | SanDisk「SDSSDHII240G」(240GB) |
電源ユニット | Seasonic「SS-750KM」(750W/80PLUS GOLD) |
OS | Windows 10 PRO(64ビット) |
リード・ライトともに500MB/secを超えるが
性能は「BX200」とほぼ同じレベル
使用したベンチマークは「AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387」、「ATTO Disk Benchmark v3.05」、「CrystalDiskMark 5.1.2」の3種類。
まず、「ATTO Disk Benchmark v3.05」でシーケンシャルリード・ライトの最大パフォーマンスをチェックしてみると、リード535MB/sec、ライト513MB/secの公称スペック通りになった。
次は「AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387」の結果だ。シーケンシャルリード・ライトともに公称値を下回り、リード473MB/sec、ライト459MB/secになった。ランダムもリードは公称値を超える9万2636iopsだが、ライトは7万5561iopsと低めだ。
なお、Marvellコントローラーなので、圧縮率の違いによる転送速度差は出ないと思われたが、念のため「AS SSD Benchmark」の「Compression Benchmark」を実行すると、リード・ライトともに460MB/sec前後で、ほぼ安定していた。
最後は「CrystalDiskMark 5.1.2」の結果。データサイズは定番の1GiBに加えて、キャッシュあふれを確認するために、32GiBもテストしている。
「Seq Q32T1」のシーケンシャルリード・ライトは公称値に近い数値だが、「Seq」は今ひとつの数値になっており、リードは以前テストした「BX200」の960GBモデルのリード539.9MB/secから110MB/sec近くもダウンしている。
日常用途で重要になってくるランダムのパフォーマンスは、リード371.5MB/sec、ライト330.8MB/secと十分な速度を発揮。SanDisk「Ultra II SSD」やPatriot「BLAST」といったエントリー向けSSDと同レベルのスコアーになっている。
なお、テストデータ32GiBでもキャッシュがあふれることはなく、書き込み速度が低下することはなかったので、ひと安心だ。
耐久性重視でコストを抑えたい人は
一考する価値ありの「MX300」
TLCながら、MLC SSDに匹敵する1日あたり120GBを書き込んだ場合で5年間使用できる220TBの書き換え可能容量(TBW)を実現しているのは、非常に魅力的だが、パフォーマンス的には従来モデルから大きな向上は見られない「MX300」。
アクセス速度に関しては、日常使用での体感に現れることはないと思われる差だが、現状のラインアップが750GBモデルのみなのも含め、購入者を選ぶ製品になっている。
耐久性は実際に使い続けないとなんとも言えないところだが、コストを抑えつつ、キャッシュ書き込みが多いウェブ動画を頻繁に視聴するノートPCや、編集作業のキャッシュデータ領域、仮想OSデータの保存領域などに使えるSSDが欲しかった人は、一考してみるのも良いだろう。
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