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大谷イビサのクラウドコミュニティな日々 第6回

オオタニからJAWS-UGのみなさまへのお願い

JAWS-UG on ASCIIはなぜ生まれたのか?

2016年06月01日 15時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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JAWS-UG on ASCII立ち上げの経緯

 こうした中、記者の興味だけで続けてきた私の取材活動は大きな壁にぶち当たっています。JAWS-UGでの取材活動にリソースがないことです。

 JAWS-UGとの付き合いができる中、ありがたいことに、いろいろな方から取材の依頼をいただくことになりました。「今度、地元で勉強会があるのでぜひ取材して欲しい」「JAWS-UGでこんなに面白い人がいるので、取材してみませんか?」といった声です。もちろん、取材すれば記事が読まれるのはわかっているのですが、時間もお金もありません。地方にライターを派遣するにはコストがかかります。仮に私がライターを務めても、カメラマンにギャラが払えません。通常記事とタイアップ記事があれば、タイアップ記事の執筆が優先になり、時間が取れません。商用メディアに載せる限り、広告が見込めないものになかなかコストはかけられないのです。これはアスキーに限らず、広告収入に依存している多くのメディアが直面している問題です。

 そのため、今まで私は「本業」の空き時間を利用してJAWS-UGの取材を細々と続けてきました。他ベンダーから足代が出る国内出張を利用して、地方のエンジニアに取材したこともあります(もちろん、他ベンダーには了承を得ています)。午前中の発表会の記事を昼までに終わらせ、JAWS-UGの記事を書く時間を捻出しています。しかし、これではいつまで経っても記事の本数が作れません。たとえば、AWS侍は初めて3年ですが、多忙で半年近く中断することもあり、まだ20本しかできていません。話を聞きたい人はまだまだいっぱいいるのにも関わらずです。

 いろいろ考えた末に生まれたのが、今回オープンしたクラウドコミュニティの情報サイト「JAWS-UG on ASCII」です。1つのメディアのようにスポンサーを募り、その原資を元にユーザーのリアルな意見が飛び交うJAWS-UG発のコンテンツ作りを加速するというのが、私が考えたJAWS-UG on ASCIIのもっとも大きなコンセプトです。

 決定的だったのは、やはり3月に行なわれた「JAWS DAYS 2016」でした。初参加の人たちが次々とイベントに流れ込み、今まで交わることのなかったエンジニア、情シス、非エンジニアが思い思いにイベントを楽しんでいる姿を見て、私はこのエネルギーをもっと多くの人に伝えなければならないという使命感にかられました。同時に、この仕事は自分にしかできないという自覚も得ました。そして、AWS Summit 2016が開催される6月1日のオープンを自らに課し、社内や外部との調整やコンテンツの作成、継続的な記事掲出のためのフロー構築などを進めてきました。この間、本当に周りには迷惑をかけっぱなしでした(ごめんなさい!)。そんな紆余曲折を経て、いよいよ本日、JAWS-UG on ASCIIの立ち上げに至りました。

 具体的なコンテンツとしては、以下を考えています。

AWS侍連載の拡充
AWSを使いこなし、新しいチャレンジを続けるエンジニアの本音を伝えます。
勉強会・イベントの事前告知
主催者から勉強会・イベントの趣旨や見どころをお聞きし、集客につなげます。おもに地方コミュニティにおいて、今まで勉強会・イベントに参加してこなかった人たちをコミュニティに誘導するのが狙いです。
JAWS-UG専門支部勉強会レポート
都内で開催される勉強会・イベントをレポート。参加者以外の方々にまで勉強会の内容をお伝えし、次の集客に つなげます。
現場に聞いたAWS事例
サービス選定に大きな影響を与えるユーザー事例を取材します。導入時のみならず、継続的に事例を追うことで、導入効果を図ります。
飯田橋クラウドクラブの強化
AWSユーザー情報発信の場の提供 クラウドユーザーがなにを考えているのか? 本音が飛び交うコンテンツを定期的に創出します。
地方勉強会の取材
専門ライターを派遣し、首都圏以外の勉強会を専門に追います。勉強会のレポートのみならず、キーマン取材や地方の魅力を伝えるコンテンツを掲出します。
情シス向けコンテンツの拡充
クラウド導入を検討するユーザー企業の情シス向けコンテンツの拡充を進めます。バックアップやセキュリティ、コンプライアンス、クラウドのコスト関連など、稟議書やREPに直接響くようなコンテンツを新たに創出します。

 その他、JAWS-UG on ASCIIではクラウドエンジニアが日々書いているブログなど、良質なコンテンツをキュレーションしていくという役割も持っています。そのため、記事には可能な限り、ブログのリンクを掲出し、ユーザーの本音が多くの方に発信できるようにしたいと考えています。

JAWS-UG on ASCIIのねらいとみなさまへのおねがい

 JAWS-UG on ASCIIのメディアとしてのねらいは、日本でのクラウド導入を加速することです。

 クラウドファースト、クラウドネイティブが叫ばれるようになって久しいですが、どの調査を見ても国内のクラウド導入率は決して高くありません。総務省の情報通信白書では全社導入は15%、ガートナーの調査でも16.1%程度です。でも、クラウド導入を加速し、旧来のコスト削減型ITから、戦略型ITにシフトしない限り、日本のIT産業は沈む一方です。今注目を集めるIoTや機械学習、マイクロサービスなどを駆使できる世界に進みません。

 クラウドエンジニアの立場からしても、エンドユーザーの誤解や不理解に悩まされ、モチベーションを高く保つことが難しいはずです。この3年、私はさまざまな取材を通して、「会社からコミュニティ活動への理解を得られない」というクラウドエンジニアの声を聞いてきました。コミュニティの力をうまく本業につなげられないか。私も長らく考えてきたテーマです。JAWS-UG on ASCIIでは、クラウド利用の現場とリアルな情報を提供することで、こうした事態を解消する一助になりたいと思っています。

 このように志は高いのですが、JAWS-UG on ASCIIはあくまでユーザーコミュニティのサイトなので、コミュニティメンバーの理解なしには成り立ちません。コミュニティの理解の得られないJAWS-UG on ASCIIは、まさに水のない花瓶のようなもの。花を生けてもあっという間に枯れ、そのうち誰にも振り返られない存在になってしまうでしょう。

 さまざまな懸念に対しては、コンテンツを積み重ねていくしかないと考えています。クラウドユーザーの興奮を多くの人に伝えることで、コミュニティをさらに活性化する。そして、次の勉強会に来る新しいユーザー層を引き込んでいくしかないと考えています。

 オオタニはユーザーコミュニティ発のリアルな情報が飛び交うコンテンツサイトというWebメディアの次の形を目指し、この新しい取り組みに賭けます。そして、スポンサーからいただいた原資の一部は、イベントのスポンサーや勉強会の会場貸与など、いろいろな形でコミュニティの活動に還元したいと考えています。

 みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。

2016年6月1日 株式会社KADOKAWA アスキー編集部 大谷イビサ

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