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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2016 第3回

知ったかできる自作パーツ基礎知識【ビデオカード編】

2016年05月25日 10時00分更新

文● 山県

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2015年から2016年の最新ビデオカード事情~AMD編~

 AMD「Radeon」シリーズも新製品が多い動きのある1年だった。まずは2015年6月に従来モデル「Radeon R9/R7 200」シリーズのリネームモデルとなるGPU「Radeon R9/R7 300」シリーズがデビュー。さらに同じく6月に開発コードネーム“Fiji”こと最新GPU「Radeon R9 Fury X」搭載ビデオカードを発表/発売した。

一部クロックが上昇しているものの、従来モデル「Radeon R9/R7 200」シリーズのリネームモデルとなるGPU「Radeon R9/R7 300」シリーズ。ラインナップは「Radeon R9 390X」「Radeon R9 390」「Radeon R9 380」「Radeon R7 370」「Radeon R7 360」などが用意される

「Radeon R9 Fury」の大きな特徴として、VRAMが従来のGDDR5ではなく積層メモリー技術「HBM(High Bandwidth Memory)」を採用している点が挙げられる。Fury Xでは4基のHBMメモリーが搭載されているので4GB(4096bit)となる

最上位のデュアルGPUモデル「Radeon Pro Duo」も発表されているが、こちらは組み込み専用品のため、単品販売はされていない

2015年4月~2016年4月に発売されたAMD GPUのスペック表
GPU Radeon R9 Fury X Radeon R9 Fury Radeon R9 Nano
開発コードネーム Fiji Fiji Fiji
製造プロセス 28nm 28nm 28nm
ストリーミング
プロセッサー数
4096基 3584基 4096基
コアクロック 1050MHz 1000MHz 1000MHz
メモリークロック 1000MHz 1000MHz 1000MHz
テクスチャーユニット数 256基 224基 256基
ROP数 64基 64基 64基
搭載メモリー量 4GB 4GB 4GB
メモリータイプ HBM HBM HBM
メモリーバス幅 4096bit 4096bit 4096bit
TDP 275W 275W 175W
補助電源 8ピン+8ピン 8ピン+8ピン 8ピン

 なお、AMDの新型GPUとしてはPolarisのデビューが近そうだ。まずはメインストリーム向けとされるPolaris 10が登場するとされており、対抗のGeForce GTXシリーズのミドルレンジ帯と、価格を含めてどこまで勝負ができるかが焦点だろう。

 以下に2015年から2016年に発売された、「Radeon」シリーズ搭載ビデオカードの注目製品を挙げておこう。

GIGABYTEのRadeon R9 390X搭載モデル「GV-R939XG1 GAMING-8GD」。オリジナルクーラーにセミファンレス仕様のWINDFORCE 2Xを採用し、GDDR5 8GBメモリーを備える

セミファンレス仕様のMSIオリジナルクーラーTWIN FROZR V搭載の「R9 390X GAMING 8G」。3スロット占有タイプの大型モデルとなる点には注意

記念すべき「Radeon R9 Fury X」搭載第1弾モデルSAPPHIRE「R9 FURY X 4G HBM PCI-E」。本体カードは、120mmラジエター+ファンを搭載する水冷仕様。TDP 275Wの発熱を効率的に処理しつつ、通常のなゲームプレイであれば騒音値32dBA以下、GPU温度を50度以下に抑える

カード全長は約168mm(実測値)とMini-ITXマザーボード並みのサイズを実現しながらも、ハイエンドビデオカードと同等のポテンシャルを可能とした「Radeon R9 Nano」

SapphireオリジナルVGAクーラーを採用するRadeon R9 Fury搭載モデル「R9 FURY 4G HBM PCI-E HDMI/3DP TRI-X」。トリプルファン仕様の「Tri-Xクーリング」を採用するほか、アイドル時にファン停止させる機能も

Radeon R9 390を2基搭載するPowerColorのデュアル仕様のスーパーハイエンドビデオカード「AXR9 390 II 16GBD5」。豪華な化粧箱に納められた3スロット占有ファン搭載の大型モデルで、搭載メモリーは8GB+8GBの16GBを誇る

SapphireオリジナルVGAクーラーを採用するRadeon R9 Fury搭載ビデオカード「NITRO R9 FURY 4G HBM PCI-E」。90mmファン×3基を備えるオリジナルVGAクーラー「Tri-X」を搭載する

基板を完全自動化で製造する「AUTO-EXTREME Technology」を採用したASUS「R9NANO-4G-WHITE」。ホワイトカラーカバー仕様のオリジナルVGAクーラーを搭載。ホワイトカラーのPCケースとも相性はいい

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ハイエンド狙いなら迷わず「GeForce GTX 1080」
AMDは新型GPUのPolarisに期待

 NVIDIAの新型GPU「GeForce GTX 1080」の与えた衝撃は大きく、ハイエンドユーザーにとっては魅力的なビデオカードだ。シングルビデオカードで新規に組むPCなら、迷わず選択していいだろう。

 ただし、すでにGeForce GTX 980 TiでSLI環境を構築しているような人にとっては迷いどころ。「GeForce GTX 1080」の後継モデルにターゲットを切り替えたという人もいるはずだ。

 また、最近急速に価格を下げているGeForce GTX 980/970搭載モデルを狙うのもあり。各ショップが用意する週末特価などを注意深く調べておけば、思わず出物に出会える可能性は高い。

GeForce GTX 980/970搭載モデルはご覧の通りの価格まで下がっている。特に3万円中盤で購入できるGeForce GTX 970のお買い得度は高い

 「Radeon R9/R7 300」シリーズや“Fiji”こと「Radeon R9 Fury」シリーズを投入するなど、例年にも増して存在感は示したAMD。

 とくに2015年後半~2016年にかけては、価格の下がった「Radeon R9/R7 300」シリーズが売れたと語るショップもあった。今後発売されるPolarisの出来次第で、2016年後半のAMDは大きく左右されることになりそうだ。

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