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GMO4社が共同開催した「GMO HosCon」基調講演レポート

開発運用現場をいかに変えたか?GMOの豪腕マネージャが語る

2016年04月18日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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開発比率は大幅に向上するものの、次々と課題は生まれる

 約4年をかけた組織改革で、障害件数は大幅に下がり、開発にかけられる時間が増加した。「直近では開発の比率が50パーセントになり、障害対応の比率が17%まで低下した」(山下氏)。2009年には60名だったメンバーも、2012年に100名を突破し、開発を推進できる仕組みもできたという。

 その一方、サービスが増加したことで、障害の絶対件数は増加してしまった。しかも、運用より開発を重視する組織に仕上がった反面、運用を軽視する傾向が見られるようになったという。さらに、2014年からはDDoSやAbuse、不正利用などセキュリティ事案が急増し、運用の負荷は大きく上がった。

 これを受けて、現在は運用と開発の分離を手がけているという。具体的にはGMOクラウドの下関サポートセンターをベースに、GMOグループ全体でオペレーションセンターを作る構想が進んでいる。「(渋谷にある)セルリアンは開発、下関は運用ということで、お互いの役割を分担し、お互いの業務向上を進めようとしている」と山下氏は語る。

開発が運用より優先される風潮。セキュリティ事案の増大

運用と開発の分離やセキュリティチームの組成

 また、ライブアップデートやメンテナンスのレビューを確立するシステム安定化委員会や、不正利用を防ぐためのセキュリティチームを組成。さらに海外展開を見据えた組織の最適化も進めていくという。

環境変化への対応を敏感に感じないと対策は打てない

 最後、山下氏は「組織は、問題の巣である。よって問題のない組織はない」というGMOの標語をスライドに出し、管理者としての心得を「環境の変化を敏感に感じないと対策は打てない。だから課題を浮き彫りにする仕組みを作り、問題を前向きに捉えて、解決していく。こうすれば組織として成長できる」と語る。

組織は、問題の巣である

 GMO会長である熊谷正寿氏の要請もあり、2020年までにはエンジニアを現在の42%から半分以上にまで拡大する計画となっており、組織をどのようにマネジメントしていくのかは今後も継続的な課題だ。山下氏は「組織を拡大し、よりよいホスティングサービスや機能をみなさんのお届けし、この業界が盛り上がっていきたいと思う」と語り、講演をまとめた。

 その後、イベントではGMOグループ4社から5名が登壇。700台のサーバーをデータセンターに移行した話(GMOデジロック)やAltusでチャレンジしたIaaS課金問題(GMOクラウド)、GMOグループでのエバンジェリストの役割(GMOインターネット)、OpenStackとCloudStackのハイブリッド妄想(GMOインターネット)、人工知能によるWebサーバーの障害検出(GMOペパボ)などのLTが披露された。「マルチブランド戦略」に基づき、それぞれが切磋琢磨するGMOグループの5社。最後は登壇者5名でラップアップとなるパネルディスカッションを行ない、GMOグループでの開発・運用の舞台裏を披露した。今後も定期的にイベントは開催していきたいという。

5社の登壇者でのパネルディスカッションではGMOグループの開発・運用の舞台裏が語られた

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