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Kingston「HyperX Cloud Revolver」

気付かなかった音が聞こえるスタジオグレードなヘッドセット

2016年04月10日 12時00分更新

文● 加藤 勝明 編集●北村/ASCII.jp

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ノイズキャンセリングマイクが付属
PCだけでなくPS4やスマホでも使える!

 イヤーパッドは高品質な低反発素材が使用され、表面は肌触りのよい合成皮革で覆われているため装着感は良好だ。耳がすっぽり覆われるため長時間装着していても疲れることはないだろう。

 ただちょっと残念なのが、同社のCloudやCloud IIでは交換用のイヤーパッド(表面が起毛素材か合皮かを選択できた)なのだが、Revolverはハウジングに完全に固定されている。軽量化やコストダウンの目的もあろうが、ここだけは非常に残念な変更だ。

低反発素材で構成されたイヤーパッドは触感がとても良い

 マイクは着脱式のノイズキャンセリングマイクが付属する。従来品のマイクは(やや言葉は悪いが)針金の先端に玉が付いたような素っ気ないデザインだったが、Revolverではヘッドセット本体に合わせ、面で構成されたデザインに変更されている。もちろんブームは使用者の口の位置に合わせ調整可能だ。

同梱のマイクを装着したところ。ブームやマイク部分のデザインはステルス戦闘機っぽいテイストだ

フレキシブルなブームなので口の位置に合わせて最適な位置に固定できる

マイクの接続部。形状が非対称になっているため、取付方向を間違うことはない

 Revolverも従来品と同様にマルチプラットフォーム対応の設計になっている。ヘッドフォン端子とマイク端子が分離している機器は付属のコントロールボックス付きの延長ケーブルを介して接続するが、CTIA仕様の4極プラグを受け付ける機器の場合は延長ケーブルを使わずにRevolver直結で使うこともできる。つまり一般的なPCのほかにも、家庭用ゲーム機(PS4など)やスマートフォン・タブレットとも共有できる。

 延長ケーブルは2mと長いため、液晶とPCが少々離れていても楽に取り回せるほか、音量調整やマイクミュートを確実に行なえるコントロールボックスが手元に来る格好になるため利便性も高い。

Revolverから出ているケーブルの先端は、CTIA仕様の4極プラグになっている

PS4のコントローラーのヘッドセット用ジャックやiPhoneのヘッドフォンジャックにRevolverを直結。当然Revolver側のマイクも普通に利用可能だ。ちなみに非Elite版Xbox One用コントローラーに接続するには別途ヘッドセットアダプターも必要になる

一般的なPCのようにマイクとヘッドフォン端子が分離している場合は、付属のコントロールボックス付きケーブルを経由して接続する。ケーブルの長さは2mと十分な長さがあるため、設置の自由度は高い

コントロールボックスは大きなスライドスイッチがあり、この状態にするとマイクミュートとなる。側面にはヘッドフォン側のボリューム制御も備える

しっかりと芯の通った音は
ゲームにも音楽鑑賞にもグッド!

 Revolverのセットアップに特に難しい部分はない。PCのヘッドフォンとマイク端子にアクセスできれば、3分もかからずに終了する。

 もともとの仕様がアナログ2chなので“背後から忍び寄る敵の存在がわかった”とまではいかない。だが1つ1つの音がクリアーに聞こえるようになり、音の左右の定位も良好。おかげでゲーム中でなにが起こっているのか、聴覚で判断できる余地がぐっと増えた点は評価したい。

 音の味付けはやや高音が強調されている感じはするが、音楽鑑賞用としても十分使っていける出来。このあたりはKingstonが“スタジオグレード”と自信たっぷりとアピールするだけのことはある。

「Tom Clancy's The Division」では、銃声や足音が特にクリアになったことを実感。PvPエリアであるダークゾーンに入るようになればRevolverの有り難みがさらに増すことだろう

「World of Warships」で使うと砲撃時の迫力が段違いにアップ。砲声の凄さもさることながら、こちらに向かって飛んで来る砲弾の風切り音が本当に怖い。これはオススメ

「Rise of the Tomb Raider」では雪を踏みしめる足音や、物陰の向こうにいる敵の会話等の定位感が◎

「Darius Burst Chronicle Saviours」は効果音よりZUNTATAサウンドの細かいニュアンスまでハッキリと聴き取れるように。好みはあるが音楽鑑賞用としても使えそうだ

派手さはないが、玄人好みの製品

 以上でRevolverのレビューは終了となる。音質については個々人の好みがあるものの、2chのゲーミングヘッドセットとしてはよく練られており、使っていて“おっ、ここではこういう音が聞こえるのか”という気付きも与えてくれる。マルチプラットフォーム対応なのでPCのみならず家庭用ゲーム機でもヘッドセットを統一できるのが嬉しい。

 ただ弱点は2chヘッドセットにしては高めの1万5000円前後という価格設定だろう。今1万円ちょっと出せば、バーチャルサラウンド対応だったり、発光機能を備えた製品が手に入る。この辺の製品にパッと見で対抗できる“華”といえる機能や付加価値がほしいところだ。

 ただ裏を返せば、Revolverは“玄人好み”の味付けの製品といえる。ゲームのサウンドを本気で改善したいと考えているなら、一度Revolverのサウンドに触れてみてはどうだろうか。

【関連サイト】

【取材協力】

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