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6000円前後で買える無線LANルーター5機種を徹底比較! 第2回

家のいろんな場所で無線LANルーターの通信速度を実測してみた!

2016年03月25日 12時00分更新

文● 二瓶 朗

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11ac対応無線LANルーターはどこに置くのがベストなのか!?

 それではまず、11ac対応無線LANルーターは実際のところ宅内のどこに配置するのがベストなのかというところを、それぞれの製品を試用しながら考えてみよう。

 自宅内のアチコチで使うスマホを念頭に置いて、各所でネット接続時の速度を計測してみたい。計測した筆者宅は下の図1のような間取りで、基本的には仕事場に無線LANルーターが配置されている。

こちらが「通常配置」。宅内の隅にある仕事場のさらに隅に親機が置かれている状態だ

こちらが「通常配置」。宅内の隅にある仕事場のさらに隅に親機が置かれている状態だ

 ここに今回試用させていただいた製品(NEC「Aterm WF1200HP2」、エレコム「WRC-1167GHBK3-A」、バッファロー「WSR-1166DHP2」、ASUS「RT-AC1200HP」、アイ・オー・データ機器「WN-AX1167GR」「WN-GX300GR」)を「親機」として配置し、5つの計測ポイントでネット接続速度を計測した。

 子機はIEEE 802.11a/b/g/n/ac対応の「Nexus 5」で、インストールした「Speedtest.net」アプリを使って上り下りの速度を計測。iPhone 6での計測も考慮したが、一部の機種に搭載されている「ビームフォーミング機能」の影響を考慮し、非対応スマホにて計測することにした(ビームフォーミングに関しては第3回の記事を参照していただきたい)。

こちらが「中央配置」。宅内の中心に親機を置いてみる

こちらが「中央配置」。宅内の中心に親機を置いてみる

 なお、唯一の非11ac機であるアイ・オー・データ機器「WN-GX300GR」では、2.4GHz帯の11nで計測した。そして親機の位置を宅内のほぼ中心に移動して同様に5地点で計測してみた。表内の数値の単位はMbpsで、5回計測の平均値を記載している。

ポイント1:仕事場にて計測

いつも仕事しているデスクの上で計測。愛機「Nexus 5」は検証の前日、道路に落として画面にヒビが入っている(見苦しくてすみません)。通常配置では親機のほぼ直下、距離約1m。中央配置の場合は直線で約3mほどの位置取りとなり、間に木製のドア1枚をはさむこととなる

いつも仕事しているデスクの上で計測。愛機「Nexus 5」は検証の前日、道路に落として画面にヒビが入っている(見苦しくてすみません)。通常配置では親機のほぼ直下、距離約1m。中央配置の場合は直線で約3mほどの位置取りとなり、間に木製のドア1枚をはさむこととなる

通常配置では直近なだけにWANの上限速度にほぼ近い速度が出ている

通常配置では直近なだけにWANの上限速度にほぼ近い速度が出ている

ポイント2:居間にて計測

居間のソファーの上で計測。通常配置では直線で約5mほど。間に木製のドアを挟む。中央配置の場合は約3mほどで、こちらは遮蔽物がない

居間のソファーの上で計測。通常配置では直線で約5mほど。間に木製のドアを挟む。中央配置の場合は約3mほどで、こちらは遮蔽物がない

通常配置と中央配置でほぼ同等の速度となっている

通常配置と中央配置でほぼ同等の速度となっている

ポイント3:トイレにて計測

狭い遮蔽空間となるトイレ。距離的には中央配置からのほうが近くなり、通常配置では2部屋分の遮蔽物を通過する必要がある

狭い遮蔽空間となるトイレ。距離的には中央配置からのほうが近くなり、通常配置では2部屋分の遮蔽物を通過する必要がある

ドアを挟むわりには11acでも11nでもそれなりにつながっている。速度的には中央配置に軍配が上がる

ドアを挟むわりには11acでも11nでもそれなりにつながっている。速度的には中央配置に軍配が上がる

ポイント4:バスルームにて計測

シャワー直下で計測。バスルームもトイレ同様の遮蔽空間となるがトイレより距離が遠くなり、ドアの数も2枚増えることに

シャワー直下で計測。バスルームもトイレ同様の遮蔽空間となるがトイレより距離が遠くなり、ドアの数も2枚増えることに

ややスピードは落ちるが、まだまだ普通に使える速度

ややスピードは落ちるが、まだまだ普通に使える速度

ポイント5:寝室にて計測

寝室・ベッドの上で計測。ドアの枚数的にはトイレと大きく変わらないものの、距離がさらに遠くなる

寝室・ベッドの上で計測。ドアの枚数的にはトイレと大きく変わらないものの、距離がさらに遠くなる

最高速度の約半分ほどまでスピードは低下するが、まだ全然使える。ただ通常配置の11nはちょっと不安定になることもあった

最高速度の約半分ほどまでスピードは低下するが、まだ全然使える。ただ通常配置の11nはちょっと不安定になることもあった

 筆者も意外なぐらい各製品でそれほど大きな差の出ない結果となったが、やはり宅内の中心に配置したほうが、各所での通信速度の低下が抑えられる結果となった。

 11acの通信については、もちろん親機に近いところで速度が出ており、筆者宅での通信速度のほぼ上限まで達している。

 もっと速度の出るネット回線を使っているならこれ以上の結果となるだろう。とはいえ、筆者宅程度の規模なら中心でも隅っこでも11acではそれほど大きな違いはないのがよくわかる結果だ。

 最近の無線LANルーター製品はパッケージや製品紹介ページに「使用する居住地の規模」みたいなものが付加されていることが多いが、それを信じればまず問題なく使えるということになりそうだ。

 11n(2.4GHz)の通信においては、居住空間の中央に置いてあるほうがより確実に安定する結果となった。そういう意味でも、子機側が11acに対応しているなら、11ac無線LANルーターを選択するのがベターだろう。

 また、今回は単一のスマホ(Nexus 5)で計測しているが、子機側の仕様でもまた異なる結果となるかもしれない。かつてPC+USB子機の組み合わせで同様の計測を行なったことがあるが、その際は製品ごとになかなかのばらつきがあった。

 あまり“相性”という話で済ませたくはないが、確かに親機と子機の間で相性問題はありそうだと予想したものだ。それに比べると、今回チェックした製品たちとスマホの組み合わせであれば、少なくとも実用的な速度は出ることがわかった。

 なお、360コネクトがウリのアイ・オー・データ機器「WN-AX1167GR」「WN-GX300GR」については、タテ置きヨコ置きなど配置を換えて計測してみたものの、あまり顕著な結果にはならなかった。

 筆者宅はごく一般的な広さのマンションなのであまり意味がなかったのかもしれないが、より広い家、または2~3階建ての一戸建てであれば、1階に置いた同製品とその他の製品とで差が出る可能性がある。機会があればいずれ検証してみたい。

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