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はじまりはアキバのハンバーガー屋だった

開発者の集まりからVR市場成長の場に、OcuFesの功績と今後

2016年02月25日 10時00分更新

文● 新清士、編集●ASCII.jp

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VRに賭けたベテラン開発者が作る戦艦大和

 戦艦大和VR復元計画はベテランのゲーム開発者の仁志野 六八氏が、VRの可能性に賭けて、昨年スタートした会社が進めているプロジェクトだ。

神田技研のブースの様子

 VRで見ることができる映像では、できるだけ正確な図面に沿って再現された戦艦大和がCGで再現されている。展示されていたものは、VRで再現された大和のまわりを見渡すことができる1分間ほどのデモだ。

 VR大和の迫力は、モニターに表示されている映像だけでは決して伝えられないものがある。大和の艦橋は30メートルを超え、5階建てのビルに相当するほどの巨大なものだが、それをVR映像で甲板から見上げると、その巨大さがはっきりと感じ取ることができる。

 仁志野氏が、OcuFesに初めて出展したのは、2014年10月に東京・お台場の科学未来館で行なわれた「OcuFes DCEXPO」だ。そこでは、駆逐艦雪風に乗って、体験航海をし、日本海軍の軍艦の観艦式を行なうことができるVRコンテンツを展示していた。当時は、使っていた3Dモデルは簡素なものだった。それでも、VRの持つ可能性を仁志野氏が感じるには十分だった。

 仁志野氏は、2014年12月に、クラウドファンディングサイトの「CAMPFIRE」でVR戦艦大和復元計画の募集を開始し、当時としては大規模の500万円を集めることに成功した。2015年10月には、第2期として大和と同型艦の「戦艦武蔵VR復元計画」の募集を行ない、300万円を追加で集めることに成功している。

 OcuFesといった展示会を利用しながら、ユーザーに実物を見てもらって、毎回完成度を上げることを繰り返してきている。「ローポリ(低解像度のデータ)のものから、細部の作り込んできたものを、お客さんに見てもらって驚いてもらっている」(仁志野氏)

 現在は、Oculus Rift製品版向けに開発を進めており、今年の春の末頃の発売を目指している。戦艦大和の外観のモデルデータはほぼできあがっており、後は質感を調整したり、ペンキの汚れやリベットといった装飾を施したりする作業に入っている。「メカだけでも満足してもらえるだろう」(仁志野氏)と自信を見せている。

神田技研の仁志野氏

 最初の出展から1年半、状況はどんどん変わってきている。

 「2014年だと、リリースしても買ってもらえなかったと思う。デモを見た人は、単に驚くだけで終わっていた。しかし、お客さんの理解がだんだんと浸透していった。ビジネス的にも成立するだろうとわかってきた。買いますといってくれるお客さんの声が大きくなっているところが、当時と違っている」(仁志野氏)

 もうひとつ紹介したい展示は多くの人が体験し、人気を博していた、手を使ったシューティングゲーム「BLASTxBLAST(ブラスト ブラスト)」だ。

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