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小型家庭用ロボから知育向けまで

2016年は一般向けロボット元年になる!CES会場で見たお手頃ロボットたち

2016年01月27日 12時00分更新

文● 山根康宏 編集●ゆうこば

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ボール型のモジュールでつくれる「Cellrobot」

ボールを組み合わせて様々なロボットをつくれちゃう

 KEYi Techの「Cellrobot」は一見すると丸いボールにしか見えません。でも、それを複数接続することでロボットになるという不思議なモジュールです。Cellとは「細胞」の意味。細胞をつなぎ合わせることで様々な形態を作り上げることができるわけですね。ひとつのCellrobotは半円が組み合わさった円形で、上下が個別に回転します。また8ヵ所のコネクターがあるのでそれを使って別のCellrobotを組み合わせることができます。

 たとえば、5個のCellrobotを接続すれば、それだけでヘビのようにうねうねと走行するロボットをつくることもできます。なお、Cellrobotはよく見ると2種類のモジュールがあります。WiFiとBluetoothを内蔵したコントローラーとして働く「Heart」(心臓)と、上下が回転する「Cell」(細胞)。この組み合わせも本物の生き物のようです。

カクテルシェイクしたりセルフィーの台になったり変幻自在

 また、拡張キットとしてタイヤモジュール、カメラモジュール、照明モジュール、クリップモジュールなども提供されます。実際にその場でCellrobotをあれこれと組み合わせて目の前でいくつかのサンプルをつくってもらいました。

 ボールを逆Yの字型に組み合わせて先端にカメラモジュールをつけてセルフィースタンド、そこからX字に組み替えてタイヤモジュールを付けて走行ロボット、さらに両端にクリップモジュールを付けて片側は机に固定、もう片側にカクテルシェーカーをつけてカクテルをつくるホームキッチンロボットなどなど、これはついついたくさん買っていろいろなものをつくりたくなってしまいます。

 Cellrobotの各Cellの動作もスマホアプリで簡単に制御可能。なお、参考価格はHeartがひとつにCellがふたつ、タイヤふたつとクリップひとつのベーシックキットで200ドル台。Kikstarterでの出資募集は資金が集まらず、現在パートナーを探しているとのこと。ぜひ、製品化してほしいものです。

恐竜型の知育用ロボット「CogniToys」

見た目はかわいい、人工知能内蔵の恐竜ロボ

 Elemental Pathの「CogniToys」は恐竜型のかわいい人形にしか見えません。でも、これはネットにつながりその先にはIBMの人工知能のWatsonの頭脳が構えています。ということで子供用の教育用ロボットとして間もなく発売になる製品なのです。

 子どもが話しかけると、それに応じてこの恐竜も子供の智能レベルや言葉、習慣や好みを学習していきます。いわば家庭教師と子守をしてくれるロボットといったところでしょうか。教育用途が知能ロボットの展開としては最もわかりやすくビジネスにしやすいということでこのような製品が開発されたのでしょう。

 でも、小さい子ども向けだけではなく、大人向けとしての展開も十分可能かもしれません。ちなみに、IBMはソフトバンクとWatsonでの提携も発表していますね。ということで、2016年の後半には人工知能の日常生活での利用がより身近なものになっているかもしれません。なお、CogniToysの価格は119.99ドル(約1万4000円)、3月に発売予定です。

やっぱりあったPepperっぽいロボット「iPal」

かなりPepperを意識しちゃったロボットも登場

 さて、Pepperサイズの本格的なロボットもCES 2016では見かけました。それが中国Avatar Mindの「iPal」。本体の色はピンクとブルーがあって女の子、男の子を意識しているのかもしれません。ターゲットはPepperとは異なり子供。中国はひとりっ子が多いことや、子供の学習熱が高いことからこんな教育ロボットが生まれたようです。なお中国だけではなくヨーロッパでの販売も展開予定とのこと。Pepperみたいに走り、手を動かし、しゃべってくれます。

子供のための機能が盛だくさん

 機能は学習関連が主となり、各種教育アプリを画面を使って表示したり、学習結果を記録したり。また、子供が話しかけることによって興味や思考を覚えていくそうです。お話し機能では専用アプリをダウンロードして童話なども読んでくれます。また、エンタメ機能として音楽再生に合わせiPalちゃん(iPalくん)が踊ってもくれるとのこと。

 カメラを搭載しているので、会社など外出先にいるお父さんやお母さんとビデオ通話が可能。室内のモニタリングもできちゃいます。OSはどうやらAndroidのようなので、アプリの開発も簡単かもしれません。

2016年はスマートなロボットが誰でも買える時代に

 「スマホでコントロールできたり、ネットにアクセスして自動回答してくれるロボットのような機械」。2015年までは時たまそんな製品を見かけることがありましたが、実用性に疑問があったり価格が高いなど手に届くような製品はほとんどありませんでした。しかし、Pepperの登場により、ロボットって個人でも買って使えるものという認識が広がりつつあります。

 海外でもこのようにさまざまなロボットが登場しており、いずれも「買ってもいいかな」と思える機能を持っています。もしかしたら今年の年末あたりは、冬のボーナスでロボットを買う、そんな時代になっているかもしれません。

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