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エンジニアが転職すべきかどうかの7つのポイント (2/3)

2016年01月21日 11時59分更新

文●大滝由子

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LinkedInでアピールしよう

職務経歴書ができたら、求人情報を探すだけでなく、常にオファーが来る状態にもしておきましょう。転職サイトに登録する方法もありますが、LinkedInに登録するのも1つの手です。LinkedInはアメリカでは当たり前に使われていて、日本でも外資系を中心にエンジニアに対してもかなりのオファーが来るようになってきています。

LinkedInに登録すると、会社に転職活動がばれてしまうと懸念される方もいますが、ビジネス的な自己アピールですので、臆さずに活用しましょう。

日本語での登録も可能ですが、英語で職務経歴書を作成すると、外資系企業からの声がけの数が格段に増えます。英語を話すのが苦手でもドキュメントが読めて、技術力があればOKの会社も多くあります。英語は、エンジニアを続ける以上、避けて通れるものでもありません。この機会に英語を習得してもいいでしょう。

外資系企業は、給料は高いものの、雇用環境が変わりやすく、長期間働くには向かないイメージがあるかもしれません。ですが、私が体験した職場環境の素晴らしさをエンジニアのみなさんに一度は味わってみて欲しいものです。

スタッフは全員直通の電話番号を利用し、自分宛の電話のみ対応します。電話の取り次ぎで、仕事が中断されると、それまでのリズムや思考を取り戻すのは、かなり大変です。特に開発関連の仕事をされている方は、これだけでも随分と生産性が上がります。また、パーティションで仕切られた広いブースは、同僚や上司との仕事以外のお喋りから離れることがで、集中して仕事をしやすくなります。私は給料よりも、これらのオフィス環境が魅力的でした。職場環境で生産性がこんなに違うのかと、体感できます。

いい「英語の職務経歴書」は他人から盗め

英語の職務経歴書の書き方の本は、たくさんの業種と職種を想定しているため、自分のキャリアにピタリとくるものを探すのは困難です。

LinkedInで見られる登録者の職務経歴書から、自分にぴったりのものを探して、どんなスキルや経験を積むとよりよいキャリアに進めるか、明確なイメージを得るとよいでしょう。

人材紹介会社は利用すべき?

LinkedIn以外でも、人材紹介会社に登録する人も多いでしょう。

人材紹介会社は、求人企業が求める人材を送り込み、社員としての雇用が決まると、年収の30〜35%を手数料として得ます。そのため、求職者の希望する職種よりも、高年収で採用される職種を紹介されることが多いです。

求職者から料金を徴収することは、基本的にはありません(最近、一部その構造も変化が起きてはいますが……あくまでごく一部)。

採用企業側は、紹介会社でスクリーニングした人材なので、はずれがないと期待します。紹介会社経由でなければ、採用ルートに入れないケースもあります。一方で紹介会社が増えすぎて、候補者のレベルが下がったこと、手数料が高いこと、などから紹介会社を使わない企業も増えてきました。特に外資IT企業で、ある程度の知名度があるところは直接募集に切り替えているようです。

また、紹介会社経由は落ちたが、直接募集で採用されたケースもかなりあります。会社側が30%の手数料を払うほど欲しい人材ではないが、30%が不要なら雇うメリットがあると判断したのです。

人材紹介会社は、メリット・デメリットを考えながら活用しましょう。

書類で伝えきれないことはブログでアピール

履歴書と職務経歴書は自分の経験と実績をアピールするための書類です。しかし、関心をもって個人的に取り組んでいる技術や将来的に目指しているキャリアを伝えるのは難しいでしょう。さらに、リーダーシップや責任感の強さ、プロジェクト・マネジメント能力など、数値や実績では評価しにくいあなたのキャリアにおける強みをアピールすることは困難です。これらはある程度の長さのある文章でPRをしていく事柄です。

そこで、ブログです。

自分がチームでリーダーシップを発揮する際に心がけていることを、箇条書きでまとめたり、プロジェクト・マネジメント能力を上げるために、チェックしているサイトなどを挙げたりしておくだけでも、キャリアの強みをアピールできます。

伝えにくいキャリア上の強みをアピールするなら、ブログが最適です。ブログは、フォーマットにとらわれず自分の得意なことを書くものです。後々にフリーランスになったり、起業したりする際にも非常に大きな武器になります。

ブログを続けるコツ

ブログはやってみたけれど、続かない方も多いので、私なりの「続けるコツ」を紹介します。

  • ブログの方向性が固まるまでは、匿名で始める
  • 毎日アップする。曜日や更新日を細かく決めると挫折する人が多い
  • 気楽に書く。記録をつけるぐらいの気持ちでOK。ネットで見つけた面白い記事をリンクして、感想を書く程度で始めると良い
  • カテゴリ分け、タグ付けなどをしすぎない。時系列で並んでいれば自分自身は記事を探せます。読者が増えたり、100記事超えたりしてから記事を分類すれば十分。その頃には、自分が書けるジャンル、書きたいジャンルが見えてくる
  • 100記事超えるまでは、アクセス数のことは忘れる

勉強している技術について学んだことや現場経験の中で知ったちょっとしたコツや小技などを書いておくと、自分の備忘録になったり、記事を縁にして人間関係が広がったりと、役に立つのでオススメです。

私が資格試験の仕事に就いたのも、ブログに自分が受けた資格試験の勉強法や試験の感想を書いたことで取材され、その記事を読んだヘッドハンターから資格試験を提供する外資系ITベンダー数社を紹介してもらい、シスコの仕事を引き受ける経緯をたどりました。ブログがなければ、大卒でもなく、英語もできず、ハードウェアにさっぱり興味のなかった私には、縁のない会社だったと思います。

こんなの誰でも知っている、当たり前だし役に立たないと思うことが、多くの人が知りたいことであり、人の役に立ったり、アクセスアップにつながったりします。

ブログを書くのは結構な時間がかかります。いきなり、20も30も記事は書けません。転職しようと思ったときに書き始めるのでは遅いです。ブログが自己アピールのツールになるには、最低100の記事は必要です。どの時点で公開するかはともかく、記事を書き溜めておくことから始めましょう。

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