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それでも面白い製品はいっぱい出た

2015年、Windows 10に翻弄されたPC業界

2015年12月29日 15時00分更新

文● 小林/ASCII.jp

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スティック型PC「Intel Compute Stick」。スティック型PCは年明けから各社が参入して市場をにぎわせた。

新しいアイデアを形にする、モノとしての完成度が高まる

 とはいえ実際にWindows 10ベースのパソコンが本格的に出荷されたのは10月以降。年末にかけてWindows 10や新CPUを搭載した新しいシリーズの発表が増え、個性的で魅力的な製品も増えてきた。2016年1月のCESでは新機種も登場すると想像する。

 同時に海外ODMと連携することで、パソコン開発に対するハードルが大きく下がってきていると感じたのも2015年だ。例えば、マウスコンピューターなどのBTOメーカーは元気だし、キングジムのように異業種から突如パソコン市場に参入してくるメーカーも出てきた。アイデアを実現できる環境が整いつつあるということで、パソコン市場でもまだまだ面白いことができると感じることが多い。

キングジムのポータブック。ODMとの関係なしには語れないプロダクトだろう。

 スマートフォンやタブレットの登場。そしてローカルからクラウドへ。OS提供の方法も変化し、マイクロソフト自身もハードメーカーとして市場の前面に出てくる。こういった状況は悪く見ればパソコン市場の混乱にも見えるが、試行錯誤の中から新しい芽が育つ転換期とも言えなくはない。いろんな意味でパソコン業界の節目を感じさせたのが2015年だった。

2015年に登場したパソコンはこんな特徴を持っていた

 さて、そんな2015年。パソコンのハードで注目したいポイントとしては、個人的に以下のようなものがあると思う。

  • SIMカードスロットを持ったLTEモデルの登場
  • ゲーミングPCでデスクトップ回帰が再び
  • より柔軟な2in1スタイルが浸透
  • ペン操作の再認識始まる
  • スティックPCをはじめとして、様々なスタイルのPCが登場

LTE対応はモバイルノートにとって必然の流れ

 まずはSIMカードスロットの搭載。クラウドサービスの浸透で、パソコンは今まで以上にネットがなければ意味のないものになっている。一方で格安SIMサービスが広範化し、国内でも様々な事業者がサービスを展開するようになり、SIMカードスロット搭載の有用度が高まっている。

レッツノート RZ5。パナソニックは昨年からLTE搭載モバイルノートに積極的に取り組んいる。

SIMカードスロット搭載ノートが増えてきたことはモバイルユースではうれしい。

 実際にはまだ、SIMカードスロットを持つモバイルノートの種類は限られている。ただし「レッツノート RZ5」や「レッツノート SZ5」といった本格的なモバイルノートで、パナソニックが大々的にLTE対応モデルを展開。さらに12月に入って、VAIOもSIMロックフリーの「VAIO S11」を発表した。ほかにもレノボやHP、デルなどがSIMフリー対応のタブレットや2in1を投入している。

 実際あると便利だし、オンラインストレージの活用は今後進んでいくだろう。特にビジネスシーンではWAN接続なしにノートは語れない状況も発生するだろう。「2016年は格安SIMが差せることがモバイルPC選択の必須条件」になることを期待したい。

VAIO S11。11.6型とコンパクトで価格も10万円台前半と買いやすい。

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