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「Flashコンテンツ」「Flash広告」は完全に死ぬのか? 現状と今後

2015年12月21日 11時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)、編集●ハイサイ比嘉

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Flash利用サイトは全体の1割未満

 現状、どのようなサイトがFlashを利用しているのだろうか。前述のようにゲームを中心にFlashを利用しているケースはまだ残っており、バナー広告での利用もよく見かける。一時期よりは減ったものの、レストランやブランド系のサイトでトップページにFlashコンテンツを丸々貼り付けてユーザーに操作させるケースも見受けられる。

「Kenny&Ziggy's」(http://www.kennyandziggys.com)というレストランのサイト。全面にFlashを利用しているタイプのサイトだが、モバイル端末でアクセスするとHTML版の簡易サイトへと自動転送される

 ただし、このようなサイトではFlashをサポートしないモバイル端末ではアクセスできないため、これら端末のWebブラウザでアクセスしたときのみモバイルサイトに誘導しているようだ。

 このほか、動画配信系のサイトでの利用も見受けられる。特に日本では人気の「ニコニコ動画」がFlash専用ということもあり、これらユーザーはFlashを排除する(Webブラウザの設定で無効化する)ことができない。モバイルユーザーは専用アプリが提供されているので、これを利用する形となる。HTML5版プレイヤーの提供が行われた時期もあったが、コメントを重ねる機能や、Webブラウザ間での差異を吸収する仕組みなどの実装が難しく、完全移行には時間がかかるのかもしれない。

日本で人気のニコニコ動画をPC上のWebブラウザで見るにはFlash Playerが必要

 では実際、Flashを利用しているサイトは現在どの程度存在しているのだろうか。参考値のひとつはW3Techsが報告しているものだが、今年2015年12月中旬時点でのWebサイトでの利用比率は9.6%だという。プログラミング言語としてのシェアを比較した場合、JavaScriptが5年以上前から9割近く、未使用のサイトで1割近くで安定しているのに対し、Flashは2011年1月の28.5%からコンスタントに減り続けている。

W3Techsによる過去5年のWebサイトにみるプログラミング技術利用比率の推移

 なお、ここでいうJavaScriptは単純なバージョン判定などの仕組みも含むものと考えられるため、実際にリッチなアプリケーションがHTMLのみで提供されているとは限らないと考えられる。W3TechsのデータではSilverlightやJavaの利用率はすでに全体の1%を割っており、プラグインを必要とするサイトの割合は年々下がり続けていると考えて問題ないだろう。

業界を挙げてのプラグイン排除の動き

 前述のニコニコ動画のようにFlash依存のサイトがある一方で、全体としてのFlash利用は減っているわけだが、これは業界を挙げてのプラグイン排除の動きもあると考えられる。

 例えば、MicrosoftはWindows 10に搭載されたEdgeブラウザでプラグインを排除しており、デフォルトで内蔵されたFlash Player以外の利用はできなくなっている。Internet Explorerについても、Java SEの旧バージョンを中心に実行ブロックの機能を搭載しており、遠からずFlash以外のプラグインの利用はなくなっていくだろう。

 Googleは9月以降にリリースされたChromeブラウザについて、デフォルトで「重要なコンテンツのみ実行を許可する」よう仕様が変更されている。結果として、動画サイトでのコンテンツ視聴以外の用途、例えばFlash広告などが自動ブロックされるようになっている。コンテンツは自動判断でブロックされるため、もし実行したいコンテンツがある場合はユーザーが手動でクリックする必要がある。

 実際、GoogleではAdWordsを介した広告配信でのHTML5利用を推奨しており、Flash排除の方向性を示している。同様のプラグイン・ブロッカーと呼ばれる仕組みは他のブラウザにも搭載されており、「重くてプロセッサパワーやネットワーク帯域を消費するコンテンツは実行したくない」というユーザーには歓迎されている。

Google Chromeは2015年9月以降、デフォルトで重要なコンテンツ以外のプラグインの実行をブロックするようになった

IAB「VPAID 2.0」への移行も影響

 ただ、広告やコンテンツ配信事業者にとっては、Flashで実現できていたことがHTML5ですべての要求を満たしてくれるとは限らず、Flashプラグインの早急な排除の動きに反対する意見もある。特に、オンライン広告における技術的標準規格の策定などを行なうIAB(Interactive Advertising Bureau)が定める広告サーバとの通信規格VPAID(Video Player Ad Interface Definition)について、現状の1.0からHTML5をサポートする2.0への移行に時間を要することから、現状の早急な動きはコンテンツ提供側にとってマイナスだと指摘している。

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