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人間の指を電気で動かすウェアラブルデバイスだと……モーニングピッチスペシャルエディション2015

2015年12月17日 16時31分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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全自動洗濯物折り畳み機がとにかくヤバい

 まずは、今年のCEATECでも話題になった「全自動洗濯物折り畳み機」のセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ。技術を軸に「世の中にないものをつくりだす」というポリシーのもと、いろんなジャンルでアッと驚く新製品を出してくる。

 最初に開発したのが宇宙航空技術を応用したカーボンゴルフシャフト。画像解析でスイング時のねじれ・しなりを計測して開発した。次が、チューブを鼻に入れるだけで睡眠時の呼吸を補助するナステント。これも生体メカニズムの解析技術が要。

 そして全自動折り畳み機は10年ごしの研究が実った成果。画像解析技術で超難解とされていたやわらかいモノの認識に成功。かわいた洗濯物を入れるだけで折り畳み、持ち主ごとに分けて収納してくれる。最高。

カーボンゴルフシャフト(左)、チューブ状の睡眠時呼吸補助用品(右)も開発している

 2019年には洗濯乾燥機との一体型を出す計画もある。所有者と衣類をリンクさせることで、データがどんどんたまるIoT家電にするという話だ。夢がでかい。

 事業はバラバラながら、コアになるのが「自社でしか作れない測定機をつくる」という技術屋的な考えなのが面白い。たしかにITデバイスが情報勝負の世界なら、高精度の測定機を持ち、一次情報をつくれる企業が勝てるのは道理だ。

 もう1つは、人工知能によるがん診断ソフトを開発しているエルピクセル。人工知能が画像を認識し、映っているのががんかどうか判断する。

 国立がん研究センターとの共同研究により、従来の機械学習の100分の1のコストで、専門家と同等の95%という高い判定精度を実現したもの。同じ技術を応用して製薬業界の毒性検査など、医療業界に幅広く使っていける。

 知らなかったのだけど、日本は世界有数の医療画像大国なんだとか。病院にはMRIデータがとても人にはチェックしきれないくらいある。そのデータを解析すれば、日本から世界最高水準のがん診断ソフトが作れるぞということらしい。

 現在、日本のがん診療において約10~30%は誤診だという。島原佑基代表は誤診ゼロに向けてがんばりたいと意気込みを語っていた。がんばってほしい。

 ほかにも、総務省に採択された次世代生体認証決済の「Liquid Pay」など面白い企業がいくつもあった。見事最優秀賞を獲得したのはちょっと意外な企業だった。

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