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カシオ腕時計工場のこだわりは異常

2015年12月16日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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カシオのマザー工場

 山形カシオは山形県の中心部・東根市にある。周囲をさくらんぼの林に囲まれ、スズメが「カシオ」のロゴに巣をつくって子育てをしている、のどかな工場だ。操業開始は1980年、従業員は約700人。面積は東京ドーム1.8個分と広い。

 腕時計の生産台数は、高価格帯モデルを中心に年間約260万台。カシオでは海外に4つの工場も持っているが、高機能アナログ時計の心臓部となるムーブメントは山形カシオが全量供給だ。なお工場では、腕時計以外にプロジェクターやハンディターミナルなども製造している。

 特筆すべきは、扱う分野が上流から下流までのすべてにわたること。金型設計、成型、組立、仕上げにいたるまで自社工場で手がけている。

高機能アナログ時計のムーブメントは全量山形生産だ
製造済みのムーブメントがずらりと並ぶ
G-SHOCKベゼル部分の鋳型
1980年代からカシオ腕時計の歴史を支えてきた

 理由はすべてを思いどおりに作るため。現場からの改善点や、素材研究や新しい開発アイディアの結果をすぐ生産に反映できるのも強みになる。たとえば樹脂をまるで金属のように仕上げるナノ加工のようなカシオ独自の特殊技術ができたときも、すぐ試作・量産にまわせるというわけ。

 聞けば、最近は他のメーカーも高級ラインの自社製造をはじめているらしい。業界全体ですでに水平分業型から垂直統合型への逆流が起きているのかもしれない。

 まあその手の話は「週刊ダイヤモンド」さんあたりにまかせるとして、ここからは楽しい工場見学だ。めざすはハイエンドモデルの製造ライン「プレミアムプロダクションライン」(PPL)、最初に通されたのは時計のショールームだ。

 G-SHOCK MANが迎えてくれるショールームでは名機や要素部品がずらり。ゼビウスに出てきそうなG-SHOCKの金型が輝いていた。ちなみに金型をつくるときの切削技術は、腕時計の裏蓋にレーザー刻印などに応用されているそうだ。

 カシオの研究開発部門にあたる羽村技術センターで使っている「耐振動」「耐衝撃」「耐遠心重力」試験機のレプリカも、ショールームの片隅に置かれていた。意識がとんでしまうくらいの遠心重力を腕時計にかけてみせるわけである。

G-SHOCK MANが迎えてくれるショールーム
精密な部品の組立は山形カシオの担当だ
ゼビウスっぽい金型。これも山形カシオ製
金型の切削技術を応用した加工技術も

 ショールーム見学を終えるといよいよ製造ラインへ。入る前から驚かされたのが発塵対策がとんでもないことになっていることだった。

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