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楽天市場は儲かるの?…成功するネットショップの秘訣(4)

2015年11月13日 05時31分更新

記事提供:通販通信

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楽天の成功パターンとは?

では、メーカーの楽天での成功パターンを事業計画ベースで見ていきましょう。

まず原価率ですが、仮に2割としておきます。
次に、楽天市場への出店費用(クレジット手数料など諸々手数料を含む)が1割。
広告費用は、商材や競合の状況によりますが売上の1割~2割程度。ここでは仮に2割と仮定しましょう。

ホームページ更新費用は1割、受注対応~物流対応費用は3割とします。
これで経費は合計9割となり、1割の営業利益を残すことに成功しました。

広告費やホームページ更新費用、受注対応~物流対応は、さらに削ることも可能なので、1.5~2割の営業利益を出すことも可能となる、魅力的な事業計画です。

多くの出店者が失敗しているのは、広告費用の部分が4~5割、ひどい場合は10割以上になっているケースもあり、これでは事業として成り立つわけもありません。
まずは利益を見込んだ事業計画を基に、広告費用を割り当てることが重要です。

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楽天市場での成功事例を紹介!

最後に、楽天市場での運営に課題を抱えていた店舗が、改善策によって業績を拡大した成功事例を紹介いたします。

家電・生活雑貨のA社は、楽天のショップ運営を制作会社に業務委託していました。売上はそれなりにあったのですが、売上に対する広告比率が高いという課題がありました。

A社の楽天店舗は独自ドメイン店に即したページ構成になっていたので、楽天のマーケティングに合うサイト構造にリニューアル。広告に頼りすぎていたプロモーションを抑え、楽天サーチからの流入を意識した無料のプロポーションを中心に展開しました。

このような改善策で、12カ月後には前年対比で138%の売上を達成しました。

コスメ・通販会社のB社は、独自ドメインショップを複数店、楽天に1店を出店していました。独自ドメイン店舗の取り組みを優先させ、楽天店の対応が後回しとなっていたため、売上が前年対比68%に落ち込み、アクセス数も前年割れが続いていました。

まず、デザインの方向性を変更し、アクセス対策を行いました。B社は広告予算が取れる状況ではなかったため、楽天サーチ対策など、無料での対策を実施しました。

こうした改善策により、アクセス数は3カ月後に前年対比でプラスに転じ、そこからは前年を上回るアクセス数を継続しています。売上は対策を実施した翌月から前年割れがストップ。5カ月後には前年比136%に復活しました。

このように、現状を見据えて正しい対策を実施すれば、楽天市場への出店で売上と利益を拡大させることがわかります。

「楽天は儲からない」というイメージは、適正な運営ができていないからだということが、おわかりいただけたと思います。

(了)

楽天市場は儲かるの?…成功するネットショップの秘訣(3)
楽天市場は儲かるの?…成功するネットショップの秘訣(2)
楽天市場は儲かるの?…成功するネットショップの秘訣(1)

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桑田氏

(株)ネットショップスタジオ 代表取締役 桑田晋一(くわた・しんいち)

■プロフィール
1981年生まれ。おうし座。2006年慶應義塾大学経済学部卒。学生時代はアメフトサークルでクォーターバックとして活躍。

大学卒業後の2006年にネットショップに特化したホームページ制作会社を創業。2010年、ネットショップの運営代行に特化した(株)ネットショップスタジオを創業。メーカーの販路拡大をミッションにメーカーの楽天直販で1億円達成を目指す「楽イチ」などのサービスを展開。EC経営者交流会BOSS会幹事も務める。

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