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グレッグ・ピーターズ氏にインタビュー

目標契約数ナシ。テレビが無料の国でNetflixはどう戦う?

2015年08月05日 10時00分更新

文● 貝塚/ASCII.jp

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最大の差別化ポイントは「コンテンツそのもの」

—— なるほど。それから、もうひとつ、レンタルビデオ店もNetflixと競合しうる文化だと思うのですが。

(C)Netflix. All Rights Reserved.

「イギリスやドイツもテレビに対する考え方(基本的に無料で見るもの)が日本と似ていますが、TSUTAYAのような店舗がこれほど根付いているのは、たしかに日本だけかもしれないですね。たとえば代官山のT-SITEに行くと、コーヒーを飲んで、立ち読みをして、何本かビデオをレンタルして帰る……そういうのは、私も好きです。

 なので、映画館で映画を見る、テレビで生放送を見る、DVDをレンタルして見るなどなど、ユーザーがコンテンツを楽しむ方法のうちの「Netflixで配信を楽しむ」というひとつの選択肢として、成長していきたいです。でも、Netflixと他のサービスとの一番大きな差別化のポイントは? ときかれれば、それはコンテンツそのものです」

—— コンテンツというと?

(C)Netflix. All Rights Reserved.

「日本では、ローンチ時に『デアデビル』の配信が決まっています。マーベルさんとはこれからもオリジナルシリーズを作っていく予定ですが、その皮切りとなる作品ですね。それから『センス8』。マトリックスで有名なウォシャウスキー姉弟の手がける新作ドラマです」

—— 強いですね! グレッグさんは日本のコンテンツがお好きだとうかがったのですが、特に思い入れのある作品はありますか?

「日本のアニメ作品って、アーティストのクリエイティビティーが強く感じられるから好きなんです。綿密なディティールで世界観が作られていて、我々を想像できなかったような世界に連れていってくれる。好きな作品でいうと、AKIRA、攻殻機動隊……最近だと、シドニアの騎士、進撃の巨人。建築の様式とか、視覚的な効果がたまらないんです。Netflixとのコラボレーション作品も、楽しみにしていただきたいです」

—— Netflixでは「日本のアニメコンテンツを海外に発信していく」ことも戦略のひとつとして掲げていますが、日本のアニメコンテンツは、海外では海賊版の違法アップロードが多いことでも知られています。それに対して、Netflixとして働きかけたいと思っていることがあれば教えてください。

代表取締役社長 グレッグ・ピーターズ氏

「そうですね……単純にNetflixはプラットフォームとして効率がいいですよね。ユーザーにとっては、コンテンツを探すのが難しくないですし、きちんと続きが見られます。クリエイターにとっては、より多くの視聴者に自分の作品を届けらる上に、きちんと金銭的なバックも保証されている……我々が成長するにしたがって、どこの市場でも海賊版のダウンロード率は減っているそうです」

—— それは素晴らしい。

「特にスウェーデンはいい例で、以前はかなり多くの海賊版コンテンツがやり取りされていたようですが、Netflixの参入後は、正規版と海賊版の比率が逆転しました」

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