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マイクロソフト・トゥディ 第146回

「Lumia 830」 - 日本マイクロソフトの導入理由を探る

2015年05月28日 11時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

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日本マイクロソフトが「Lumia 830」を選んだ理由

 日本マイクロソフトでは、「社員のプロダクティビティのさらなる向上を目指して、社員向けスマートフォンを移行する」と語る。

 日本マイクロソフトの社員が使用するLumia 830は、OSにWindows Phone 8.1を搭載(Windows Phone 8.1は、2017年7月11日にはメインストリーム サポートが終了予定)。Windows 10のリリース以降は、Windows 10に無償アップデートできる対象機種だ。

 マイクロソフトはノキアを買収し、今後Lumiaシリーズはノキアブランドからマイクロソフトブランドへ移行することになるが、今回社内利用するLumia 830は、まだNokiaブランドの製品となっている。

導入されたLumia 830の背面は、Nokiaロゴが刻印されている

 最新機種でない点では、2000台という規模で同一機種を調達するという観点で選定されたものと見ることができよう。社内利用とはいえ、当然調達コストがかかる。その予算の観点からも、この機種が選ばれたといえそうだ。また、まもなくWindows 10がリリースされる予定であるにも関わらずそれを待たなかった理由は、6月が期末となる日本マイクロソフトにとって今年度内の予算で処理したかったという思惑もあるだろう。

 日本マイクロソフトの社員には、Nokiaのブランドが入った筐体カバーが提供されることになる。カラーは白/黒/緑/オレンジの中から選択が可能で、白が最も人気だという。ちなみに、樋口泰行社長は黒を選択した模様だ。

 社長や役員には、5月18日から導入。5月25日から社員向けに本格的に導入を開始し、今年夏までにIS12Tを利用していた約2000人の社員に導入が完了することになる。

 なお、IS12Tでは、社員は必然的にauを利用していたが、Lumia 830ではNTTドコモの回線を使用。2000人規模の契約がauからドコモに移行したことになる。

Windows Phoneの国内投入に向けた布石

 Lumia 830の社内導入は、社内の生産性向上という狙いがあるが、それ以外の狙いもある。それは、Windows Phoneの国内投入に向けた布石になるという点だ。

 Lumia 830は、2014年秋に発売された製品であり、最新モデルではない。その点でも、今回の延長線上で日本マイクロソフトがLumia 830を日本で発売することは考えられない。実際、海外ではすでに生産が終了しているとも報じられている。

 また、仮に海外で在庫品を見つけたとしても、国内で合法的に利用するには、技適マークの付与が必要になる。日本マイクロソフトは、外部ユーザーのために技適マークの取得をサポートする予定がないため、独自輸入した場合は合法利用にならない。

 だがその一方で、日本マイクロソフトは「今回の社員向けスマートフォンの機種変更は、Microsoft Lumiaの日本市場での事業展開や製品の発売を直接的に意味するものではない」としながらも、「社内での様々な活用をショーケースに位置づけ、今後のWindowsベースのスマートフォン関連事業を検討および展開していく上で役立てていく」としている。

 Lumia 830の社内導入は、Windows Phoneの国内投入にどんな影響を及ぼすのか。国内投入に向けて前向きな一歩であることは明らかだ。

Lumia 830の社内導入は、Windows Phoneの国内投入にどんな影響を及ぼすのか


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