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ヘッドフォン祭 2015 春 第1回

歴代最高ハイレゾ機「AK380」をAstell&Kernが国内初公開

2015年05月17日 09時00分更新

文● きゅう

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筐体の大型化は音質の面でメリット

 AK380の本体サイズは、AK240のおよそ幅66×奥行き17.5×高さ107mmより一回り大きく、およそ幅79.8×奥行き17.5×高さ112.4mmとなる。重量はAK240の約185gに対して約218g。AK240 SSの約275gよりは軽量となる。

本体素材はAK240を踏襲しているが、AK240 SS同様前後にGorilla Glassを使用している。

 本体素材は、ジュラルミン製でバックパネルにカーボン素材を利用。ここまではAK240と共通だが、前後のカバーをアクリルパネルではなく、AK240 SS同様、より強度の高いGorilla Glassに変更している。

 デザインはAK240のテイストを引き継いだ多面体形状。ただし、AK240が直方体に斜めから光を当てたようなイメージだったのに対して、時間に応じて位置の変わる太陽が描く影をすべて盛り込んだような特徴ある形状になっている。音量調整用のダイヤルの位置は中央に近くなり、サイドが若干えぐれた感じになっていることもあり、幅の増加にもかかわらず予想以上に手に収まりやすいフィーリングだ。

 液晶ディスプレーは4型。ホームキーは液晶ディスプレーを覆うパネルの内側から、その外側にある金属フレーム上に置いている。筐体の大型化は携帯性を損なうと考えられがちだが、デメリットばかりではなく、無線チップをはじめとした回路上のパーツをより離しておけるため、干渉を低減できる。これは音質面で有利だ。AK380では、後述するようにネットワーク再生機能が大幅に強化されているが、多機能を詰め込んでも高い音質を維持できた理由のひとつになっている。

ホーム画面に新たに追加された「AK CONNECT」のアイコン。

 ファームウェアは引き続きAndroidベースだが、UIは一部変更されており、AK Jr.と共通点の多いものとなった。ホーム画面のアイコンが大きくとられており、シンプルさを感じる。

大きく機能が強化されたEQの機能

 EQの改善も特徴のひとつで、従来はCPUでEQ処理をした後、データを直接DACに送っていたが、その間にDSPを追加している。周波数、dB、Q値などより細かな調整が可能となった。精度についても、従来は10バンド0.5dB単位だったものを、20バンド0.1dB単位としている。音量調整(ダイヤルコントロール)についても、0.5dB単位から0.1単位とより高精度になっている。

底面には4ピンのバランス出力用端子を用意している。専用オプションとの接続に使用する。

 拡張性の高さも特徴だ。クレードル、ポータブルアンプ、USB接続のリッピング用CDドライブなどを専用オプションとして投入していく計画で、本体にはこれらの機器を固定するためのネジ穴や、オーディオ出力用の独自コネクターを持っている。

豊富な専用オプションを投入していく計画のようだ

写真はポータブルアンプ

 特に注目したいのが、ヘッドフォン出力用の2.5mm4極端子とは別に、底面に専用の4ピンバランス出力端子を用意したこと。クレードル使用時にはこの端子を経由して、背面のXLR端子にバランス出力することも可能。単品高級アンプとの接続も容易で、ポータブル用途だけでなく、ホームオーディオとの連携も念頭において開発された製品であることが分かる。

会場に展示されていたCDドライブとクレードル。開発中で発売時期や価格などは未定。

リッピング中の画面。CDを入れるとGracenoteのデータベースから楽曲情報を取得し、パソコンレスでCDのデータを本体に保存できる。

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