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「ムーアの法則」50周年、CPUを自動車に例えると驚きの性能に!

2015年04月21日 23時00分更新

文● 北村/ASCII.jp

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 「半導体の集積密度は1年ごとに約2倍になる」と予測した「ムーアの法則」が、今年4月で50周年を迎えた。これに合わせてインテルは、夏休み期間中に科学技術館において、「ムーアの法則」を中心としたマイクロプロセッサーに関する展示を行なうと発表した。

夏休み期間中の約2週間、青少年のコンピューターならびに科学への興味喚起を目的に、科学技術館で展示するムーアの法則50週年記念ショーケース

 インテルはこの記者発表会を、展示会場である科学技術館で開催した。ここでインテル取締役兼副社長執行役員 技術開発・製造技術本部本部長の阿部剛士氏が、ムーアの法則とインテルの歴史について解説した。

1971年に登場したインテル初のCPU「Intel 4004」と現在の第5世代「Core i5」を比べると、性能は3500倍、電力効率は9万倍、コスト単価は6万分の1に縮小したと説明するインテル取締役兼副社長の阿部剛士氏

 なかでも興味深かったのが、半導体の進化を自動車技術に置き換えて説明したことだ。1971年に時速130kmだった自動車の性能は、2015年には時速48万2700kmに到達している。これは地球と月を2時間で往復できる速度だ。

 燃費は1971年に1リッターあたり11kmだったのが、2015年には85万369kmとなり、ガソリンを満タンにしたら車を買い替えるまで1度も給油する必要がない。1971年に2500ドルだった自動車販売価格は、今はわずか4セントで買えることになる。

1971年の自動車がムーアの法則で進化すると、2015年には時速48万2700kmの車を4セントで買えることになる

 また、Androidスマートフォンを1971年の技術で製造した場合、マイクロプロセッサーだけで駐車場ほどの広さが必要になると阿部氏は語った。

 これほどの進化を遂げた産業は半導体以外にはなく、ムーアが共同創業者として興したインテルにとって、ムーアの法則は常に根本的な指針であると同時に推進力となったという。

インテルにとって、ムーアの法則は常に根本的な指針である

 実際インテルは、ムーアの法則を確実に継続させるためにさまざまなデバイスとプロセスを研究してきた。とくに90nmのときの「歪みシリコン」、45nmで開発した「High-kメタルゲート」、そして22nmの「3Dトランジスター」は、大きなイノベーションであった。

プロセスルールと新技術の推移。現在は14nmプロセスで製造している。同時に10nmを開発中で、実現のめども立っているという

 インテルの今後のミッションは、「ムーアの法則がもたらすパワーを活用し、地球上のすべての人々にスマートでネットにつながる機器を届けること」とのこと。ネット接続が可能な機器は2015年で150億個、2020年には5000億個に達するという。高いIT活用能力を持つ新しい世代の機器のために、ムーアの法則を継続させていくというインテルのこれからの製品に期待したい。

ムーアの法則とともに歩み続けた
インテル製CPU50年の歴史

 発表会で先行公開された「ムーアの法則50週年記念ショーケース」に展示されていた、インテル製CPUの代表的なものをいくつか紹介しよう。実物は夏休みに科学技術館に見に行くといいだろう。

4004

8086

80286

Intel386

Intel486

Pentium

Pentium Pro

Pentium II/III

Pentium 4

Core i7

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