MacBookのパフォーマンスをベンチでチェック
cTDPアップで定格より高い動作周波数を実現しているとはいえ、MacBookが採用しているCore Mは省電力重視のCPU。パフォーマンスは十分なのだろうか? また、熱による影響はないのだろうか? そこで、いくつかベンチマークを実行してみることにした。まず、「Geekbench 3」を使ってMacの現行機種のCPU性能をチェックしてみたところ、次のようになった。
Geekbench 3(32bit)によるベンチマーク結果 | |||
---|---|---|---|
機種 | CPU | Single-Core Score | Multi-Core Score |
MacBook | Core M(1.1GHz) | 2228 | 4093 |
MacBook Air 13(Early 2015) | Core i5(1.6GHz) | 2663 | 5147 |
Mac mini(2014) | Core i5(2.6GHz) | 2937 | 6119 |
Geekbench 3(64bit)によるベンチマーク結果 | |||
---|---|---|---|
機種 | CPU | Single-Core Score | Multi-Core Score |
MacBook | Core M(1.1GHz) | 2417 | 4601 |
MacBook Air 11(Early 2015) | Core i5(1.6GHz) | 2924 | 5804 |
Mac mini(2014) | Core i5(2.6GHz) | 3222 | 6877 |
今回はMacBook AirのエントリーモデルやMac miniのミドルモデルと比較してみたが、予想以上に健闘していることが分かる。ちなみに、MacBookのスコアは3世代前のMacBook Air(Mid 2012)のエントリーモデルに匹敵する数値。今回は試せなかったが、1.2GHzや1.3GHzのCore Mを搭載したモデルであれば、現行のMacBook Airともいい勝負になるのではないだろうか。
次に、「CINEBENCH R15」を実行してみたところ次の通りになった。
CINEBENCH R15によるベンチマーク結果 | ||||
---|---|---|---|---|
機種 | グラフィックス | CPU | OpenGLスコア(fps) | CPUスコア(cb) |
MacBook | Intel HD Graphics 5300 | Core M(1.1GHz) | 18.59 | 207 |
MacBook Air 13(Early 2015) | Intel HD Graphics 6000 | Core i5(1.6GHz) | 27.18 | 258 |
Mac mini(2014) | Intel Iris Graphics | Core i5(2.6GHz) | 25.99 | 273 |
さすがに、グラフィックス性能は少し差が開いている。しかしMacBookの18.59fpsというOpenGLスコアは、1世代前のMacBook Air(Early 2014)と同等の結果。決してパフォーマンスが悪いわけではない。
動画エンコードで高負荷時の発熱を確認してみた
CPUやグラフィックスについては十分実用になる性能であることが分かったが、同様に気になるのが高負荷時の発熱。アップルの公式サイトでは、MacBookのCPUの消費電力は5Wであると記されている。定格の4.5Wよりも少し高いが、これはどう影響してくるのだろうか。そこで、CPUの各スレッドをフル駆動させる処理を行ない、発熱の影響をチェックすることにした。具体的には、動画変換ソフトのHandBrakeを使い、1時間ほど連続で4Kの動画素材をフルHDや720pの解像度に変換してみた。
その結果、動画のエンコード中はMacBookの裏面(ちょうどキーボードからヒンジにかかる部分の裏側)は確かに発熱しているが、人肌より少し暖かいという程度。デニムなどの衣類の生地を通してでもほんのり暖かさは伝わってくるが、長時間負荷をかけ続けた場合でも不快に感じるほどではなかった。手元にあるMacBook Air 11インチモデル(Mid 2012/Core i7/2.0GHz)と比べてみたが、MacBook Airがファン全開のときよりもMacBookは明らかに温度が低い。
なお、MacBookで1時間ほど動画をエンコードした際、動画の変換速度が途中で極端に遅くなったりすることもなかった。少なくとも今回試した限りでは、発熱を抑えるために一時的に動作クロックを下げているようなことはなさそうだ。
また、4K(3840×2160ドット/24fps/4分46秒/2.14GB)の動画素材を、720p(1280×720ドット)に変換した際の時間は、MacBookが15分18秒で、MacBook Air 11インチが12分14秒だった。比較したMacBook Airは2012年のCTOモデルでCore i7(2.0GHz)を搭載したものだが、Geekbenchのスコアは現行のMacBook Airとほぼ同じ。それを考えると、MacBookはかなり健闘しているといえるだろう。
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