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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画 第2期」 第2回

pixiv・ニコ動ともに投稿数は増加&変動する艦娘人気

祝2周年! 艦これはこれからも拡大を続けていく

2015年04月23日 18時00分更新

文● myrmecoleon 編集●村山剛史/ASCII.jp

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動画傾向は変わらず
MMDとMADが牽引する艦娘人気

 動画の傾向は前回とあまり変わらず、MMD関連の投稿が最も多く、他に実況プレイ動画やゆっくり実況プレイ、音MADなどの「艦これMAD」、「艦これBGMアレンジ」やその他音楽動画、手描きイラストの「手書き艦これ」などがよく投稿されています。

 「MMD艦これ」の比率が上下していますが、これはイベント時期にプレイ動画関連が増加して、相対的にMMD動画の比率が減少するため。またアニメ化の関連で2015年になってからMAD動画が増加しています。

きむた氏が作詞・作曲および動画制作した雪風をテーマにしたオリジナル曲のMMD-PV。歌は歌い手の「すぎやま」さん。艦これのMMD動画は人気があるほか、このようなオリジナル曲の動画もしばしば投稿されている。
SOUND HOLIC企画の艦これ二次創作アニメシリーズ。2014年3月からスタートして年末に8話完結した。

艦これ動画のおもなタグについて、全体に対する比率の推移を各月ごとに示したもの

 ニコ動でのキャラクター人気は現在もMMDの影響が強いです。新モデルの登場に合わせて増加する傾向が強く、また改二などのきっかけで動画の投稿やMMDモデルが作られることも多いようです。

 pixivと比べると順位の変動は激しいですが、第六駆逐隊は必ず電か響がトップ5に入っているなど安定した人気があります。またアニメでMAD関連の投稿が増えた影響で、2015年に入ってから吹雪や夕立らの投稿が増えていました。

 なお順位にはあまり影響していませんが、改二などに限らず、すでに特定のモデルが定着している艦娘のMMDモデルを新作やリニューアルする動きが2014年以降現われています

 最初期にMMDモデルを公開した「つみ」氏や「琥沙郎」氏が最近になって自作モデルをリニューアルしているほか、とらはぜ式の吹雪型、たむたむ式の赤城・加賀やゴリマ式の蒼龍・飛龍、エボシ式の響ほか暁型など、さまざまな艦娘の新モデルがこの1年で配布されました。

 初音ミクなどで多様なモデルがあるように、艦娘も良モデルが複数作られたりクオリティーが上がったりしていくのは良い傾向ではないでしょうか。

ニコニコ動画の艦これ動画に付けられていたタグについて、特定の艦娘等を示すタグを関連付け、タグから艦娘ごとに使用されてるイラストの数を月ごとに調べて並べたもの。比率は月ごとの作品数で艦娘の作品数を割ったもの。駆逐艦は青、軽巡・雷巡・重巡は緑、空母は紫、戦艦は赤、その他は灰色で示してある。またその月に初めて登場したキャラは(月末の登場は翌月も)赤字で示した

「お宮」氏による駆逐艦・磯風のMMDモデル配布動画。楽曲はsasakure.UK×DECO*27のミクオリジナル曲「39」。pixivではそれほど投稿数が多くないのに、10月・11月に急に磯風の投稿が増えているのはこのモデルが配布されたため。
今月になって公開された「つみ」氏による駆逐艦・島風の新MMDモデル配布動画。楽曲はsasakure.UKのGUMIオリジナル曲「アンチグラビティーズ」。つみ氏の島風モデルは最初期の2013年6月末に動画で登場、7月に配布されており、MMD艦これの原点と言えるが、今回はその新バージョンとなり注目されている。

 2周年を迎えた艦これの二次創作は、pixiv・ニコ動とも現在も拡大を続けています。アニメ放送後も、今のところ艦これの二次創作投稿が目に見えて減衰するような様子はありません。

 一方で吹雪や夕立に注目が集まった点やMAD動画の増加など、アニメの影響も随所に見られます。海色・吹雪の楽曲人気も放送期間を通じて高く、「あっさりーしっじみーはーまぐーりさーん」などMADネタも豊富な艦これアニメでした。

 またキャラクター人気ではついに島風の転落が見られ、容易にトップが入れ替わる状況になってきています。艦娘人気の多様化も進んでいると言えるでしょう。

 表現の広がりはおおむね2014年を踏襲したかたちで、個別の作品で尖ったものはありますが、大きな動きとしてはあまり見えません。そのぶん、個別の作品で人気は拡大しており、ニコ動ではMMD艦これで100万再生した作品もすでに4つ出来ました。

 PS Vita版は8月27日発売予定、さらにアーケード版の発表もあり、アニメも放送、2期も決定しており、艦これのメディアミックス展開も本番を迎えています。フィギュア展開は盛んで、すでにどれだけの製品が出ているのか把握できないほどです。ラジオやライブイベントなどの展開は若干鈍いところがありますが、今年の8月には『第二回「艦これ」観艦式』が予定されています。

 昨日のメンテでは睦月・如月の改二のほか半数近くの艦娘の2周年記念ボイスも公開され、この2年プレイしてきた提督たちには感無量といったところではないでしょうか。来週からは春イベント「発令!第十一号作戦」も開催。また投稿が盛り上がると思われます。

 これからの1年も艦これでは活気のある二次創作活動が続くでしょう。今後も見守っていきたいと思います。

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~没後20年展~ 三原順 復活祭

2015年5月31日まで開催

 70年代から80年代にかけて、「はみだしっ子」を筆頭にその作品が熱狂的に支持された三原順。1995年3月20日、42歳で病没した直後はそれほど大きく取り上げられたわけではなく、出版界から忘れ去られるかにみえた。しかしマンガ情報誌で何度も追悼特集が組まれ、ネット上で、同人誌で、ファンたちは熱く語り続けた。それは三原作品の復刻を求める活動に結びつき、文庫本や復刊本、豪華本の出版など、多くの成果を生みだしてゆく。三原順の思索の深さ、児童の虐待・原発問題など、今考えるべき様々な問題への尖鋭的な取り組み。没後20年20冊目の文庫が刊行されるこの期に、今こそ触れてほしいその作品像に迫る。

■会場:米沢嘉博記念図書館 1階展示コーナー
■期間:2015年2月6日(金)~5月31日(日)
■休館日:毎週火・水・木曜(祝日は開館)
※特別整理などで休館する場合あり。公式サイト、もしくは開館日に電話にて要確認。

■主催:明治大学 米沢嘉博記念図書館
■企画協力:鈴木俊裕、白泉社、主婦と生活社、藤本由香里・明治大学教授
■問い合わせ:米沢嘉博記念図書館
 〒101-8301 東京都千代田区猿楽町1-7-1
 TEL:03-3296-4554

会場は東京都千代田区の明治大学 米沢嘉博記念図書館。コミックマーケット前代表の故・米沢嘉博氏が蒐集したサブカルチャー資料などを収蔵する。また、期間限定ながら直近のコミケで収集された見本誌を閲覧できるレアな場所でもある


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