2015年度もクラウドとネットワークの一体提供を推進
AWSやAzureとの接続も!NTT ComのGlobal Cloud Vision 2015
2015年04月07日 17時00分更新
データセンターは9箇所新設!次世代クラウド基盤も年末には
Nexcenterブランドで展開しているデータセンターに関しては前述したe-shelterの買収によって、サーバー面積をトータルで7万㎡増加させたほか、今年度は米国、イギリス、タイ、インド、香港、国内(川崎第1、東京第7、大阪第5)など9箇所のデータセンター新設で、さらに6万㎡強を追加で拡充する予定。
また、クラウドに関しては、新たにオラクルと「クラウド事業者向けライセンス契約」を締結。世界で4社目、日本で初めてとなる本契約により、Bizホスティング Enterprise CloudにおいてOracle Database Standard Edition One/Standard Edition(SE RAC)などのデータベースを旧価格から最大90%割引という価格で利用できるようになった。さらにOracle Database Enterprise Edition、Oracle WebLogic、Oracle Golden Gateなども新たに提供されるほか、顧客によるライセンスの持ち込みにも対応する。
専有型(Hosted Private Cloud/ベアメタル)と共有型(パブリッククラウド)を組み合わせて提供できる次世代クラウド基盤の開発も進んでおり、2015年12月には提供までこぎつけたいとのこと。約40の主要データセンター間を10Gbpsで相互接続するベストエフォートサービスも予定しており、クラウド間およびクラウド-コロケーション間通信は無料、コロケーション間の通信も低価格で提供するという。
その他、説明会ではArcstar UCaaSのMicrosoft版の提供や統合管理サービス「Global Management One」の対象範囲の拡大、APIゲートウェイの強化、IoTなどソリューションモデルの強化などの施策が披露。今後もグローバルにおいて幅広いレイヤーでサービス強化を続けていくという方向性がアピールされた。
国産のグローバルクラウドは海外に通じるか?
昨年度は次世代クラウド基盤の計画やSDN/NFVのサービス化が披露されたが、今年は他社クラウドへの接続オプションが大きな目玉のようだ。ネットワークとクラウドをグローバルに一体的に提供するという同社の方向性がますます深掘りされた印象を受ける。
一方、課題は海外での売上増大だ。積極的なグローバル展開を進める一方で、海外売上がまだまだ伸び悩んでいるのも事実。実際、クラウドサービスも7300のユーザーのうち、海外は1700にとどまる。各国でイベントを開催したり、認知度向上の施策を打ち出しているもの、クラウド、ネットワークともにまだまだ日本でのユーザーが大半。サービス面での充実はもとより、営業体制やパートナーエコシステムの拡充が今後の大きな課題と言えそうだ。