富士通研究所、富士通テン、ソシオネクスト3社は4月7日、文部科学省が主催する「平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」において、「車の周囲を3次元的に見せる全周囲立体モニタ技術の開発」で“科学技術賞(開発部門)”を受賞したと発表した。
合わせて富士通研究所は、「エレクトロニクス実装用電子セラミック材料とプロセスの研究」で“科学技術賞(研究部門)”を受賞したという。
科学技術賞(開発部門)は、我が国の社会、経済、国民生活の発展向上などに寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発、もしくは、発明を行った者が対象。受賞した「車の周囲を3次元的に見せる全周囲立体モニタ技術の開発」は、4台の車載カメラの映像から、車両周辺に加えて遠景まで含む広範囲の状況を、360度の立体感のある全周囲立体映像として合成。ドライバーが見たい方向から自由に滑らかに視点を動かしながら表示できる技術。
科学技術賞(研究部門)は、我が国の科学技術の発展などに寄与する可能性の高い独創的な研究または発明を行った者が対象。受賞した「エレクトロニクス実装用電子セラミック材料とプロセスの研究」では、セラミックスの表面凝集エネルギーを高めたナノ粒子を中間原料に用いることで、樹脂の耐熱温度以下、かつ金属の融点以下で結晶性に優れた電子セラミック結晶膜を形成する手法を見出し、その膜形成のメカニズムを解明。セラミック膜にドライエッチングおよび化学エッチングによる微細孔加工技術および多層化プロセスを導入することが可能となり、従来困難であった銅を内部配線とした多層セラミック構造を低温で形成できるようになった。


