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顧客満足は当たり前 「リネット流」サービス改善の極意 (1/2)

2015年04月20日 11時00分更新

文●野本纏花

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宅配クリーニングサービス「リネット」から学べるサービスEC運営の秘訣について2回にわたって解説する「最新トレンドの成功者から学べ! ECサイト研究レポート」。今回は「リネット」のシステム化したオペレーションや、「リネット」流の顧客サービスについて紹介する。

︎リネットをよりよいサービスにするために

2013年8月にジャフコから3億円の資金を調達したことをきっかけに、リネットは同年10月にサービスをリニューアルした。料金を下げ、5日間かかっていた納期をプレミアム会員なら2日間と大幅に短縮したことによって、既存客の満足度を高めて、新規会員数も大きく伸ばすことに成功した。

納得のいくサービスの提供は「もっと」と終わりはない

顧客が増えれば要望も増え、提携工場が増えればオペレーションのやり方にも違いが生じる。それらに対応しながら、もっと満足のいくサービスを提供していきたい、として考えられた部署が「商品統括」だ。全社の中でも中核を担う商品統括の仕事は、提携先の工場を頻繁に訪れて仕上がりをチェックしたり、新しい洗剤を開発したりと多岐にわたる。

「このパッケージでお届けしています」と斎藤氏

「クリーニングの品質、お客さまの対応、送付時のパッケージ、どれをとってもまだまだ改善の余地がある」とホワイトプラスの斎藤亮介取締役兼CMOは語る。

︎クリーニングの価値を再定義する

1992年に約8000億円あったクリーニング市場が2012年には約4000億円にまで縮小した原因を斎藤氏は「クリーニング業界は職人さんの多い業界で、技術はあるが営業が苦手でクリーニング本来の価値をちゃんとお客さまに伝えられていなかった」と、考えている。

クリーニング事業者は全国に7万社以上あるが、上場企業は白洋舎(東京)と「きょくとう」(福岡)の2社しかない。基本的には立地がすべてで、クリーニング店をわざわざ選ぶ人も少なかったため、店舗を増やせば売上が伸びるという考えで店舗を増やし続けた結果、価格競争に陥ってしまった。比例して品質も下がり、顧客の満足度も下がり、クリーニングそのものの価値を下げるという、悪循環に入っている。

クリーニングの本来の価値は、近くて便利なことじゃない。ちゃんと丁寧に仕事をすれば、お客さまも満足してくれて、対価も支払ってくださるはず」

斎藤氏は、これからはそうなっていくし、そうならなければいけないと、クリーニング価値の再定義に意欲を見せる。

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