カッティングの現場に立ち会って虜になった?
佐武 西谷さんが、この仕事に就かれたきっかけは何だったんでしょう?
西谷 実は私自身、もともとこの会社にレコードを作ってもらいに来た人間だったんですよ。
佐武 えっ!? お客さんとして来たんですか?
西谷 そうです(笑)。まさにこの場所でカッティングをしてもらい、レコードを作ってもらったんですね。
佐武 “カッティング”って、何でしょう?
西谷 カッティングとはレコードの原盤を作るため、一番最初に溝を掘る作業になりますね。
佐武 つまり“針が通る道”を作るということですね。
西谷 ええ。“ラッカー盤”と呼ばれる、何も溝がない状態の盤を使うんです。アルミの板の表面にコーティングした層を重ねたもので、(東洋化成の場合)直径30cm、25cmのサイズを使用しています。レコード盤のサイズに合わせて収録時間を計算し、ここにある大きな機械で溝を掘っていくんです。
レコードを作るため、自分自身がカッティングスタジオに音源を持ち込んだこと。それがこの仕事に就くきっかけになったと話す西谷さん。
佐武 これをカッティングというんですね。その作業を見に行ったんですか?
西谷 ちょうどこの現場に私が音源を持ち込んで、エンジニアにカットしてもらったんです。
佐武 それを見て一目ぼれしたんですか?
西谷 はい。前から興味があったんですが、正直カッティングできる現場は、日本では3ヵ所ぐらいしかないんですね。プレスができる工場は弊社(=東洋化成)だけです。カッティングスタジオを持っているのは、ビクターさん、コロムビアさん、そして弊社だけです。だから後継者がいるんだろうかと気になっていろいろ質問してみたら、実際には“いない”という話になって……。

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