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業界人の《ことば》から 第137回

ソニーと対照的に成長路線進むパナソニック、B2B重視が奏功

2015年03月31日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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数字が伸びていないのに、目標に近づいたと語る心意は

 そして、その理由を次のように語る。

2015年度においては、落ちる事業よりも、伸びる事業の方が大きくなり、それが成長につながる。

 「売りが伸びる事業と、売りを落とさなくてはならない事業を比べたとき、まだ売りを落とさなくてはならない事業の比率の方が高かったのが2014年度。その結果が、ほぼ横ばいという結果になった。だが、2015年度においては、落ちる事業よりも、伸びる事業の方が大きくなる。それが成長につながる」と自信をみせる。

 2015年度の業績見通しは、2014年度見通し比で、売上高が2500億円増の8兆円、営業利益は800億円増の4300億円。営業利益率は5.4%になる。

 「売上高は、為替影響を除いたベースでも増収になる」と自信をみせる。

5つの事業軸と3つの地域軸、そして6つの交差点

 そして、2016年度は8兆4000億円、2017年度は9兆1000億円の売上高目標を新たに公表。それらの実績をもとに、2018年度は売上高10兆円を目指すことになる。

 これらの成長戦略や投資戦略においては、家電、住宅、車載、BtoBソリューション、デバイスの5つの事業軸と、日本、欧米、海外戦略地域の3つの地域軸を掛け合わせた「5×3」のマトリックスで表現する手法を用いているが、そのなかでも、6つの交差点に重点を置くことを示している。

 とくに、家電との交差では、海外戦略地域が重点分野に指定されている。

 ここでは、4月にAPアジアおよびAP中国を設立して、アジア、中国市場を中心とした海外戦略地域で家電事業を加速させる。

 APアジアおよびAP中国には、開発、製造、販売の機能を集約。地域のニーズにあった商品およびサービスを、地域の責任で迅速に市場投入。権限を大幅に委譲することで、事業拡大を加速する」という。

 Japan Premium商品の投入や、富裕層にターゲットに「憧れ」を生み出すような戦略的なマーケティングを展開などにより、プレミアムゾーンにおけるニッチトップを目指すのが基本戦略だ。

 2018年度には、日本における家電事業の売り上げ規模が1兆円であるのに対して、海外戦略地域の売り上げ規模は9000億円と、ほぼ匹敵する規模にまで引き上げる。2014年度比の成長率は60%増と、1.6倍規模になる。

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