信頼性、コスパ、どっちを取る? RAID 1対応外付けHDDを比較!
続いては②のRAID 1対応の外付けHDDを見ていきたい。今回はHDDメーカーとしても有名なウェスタンデジタル製「Western Digital My Book 8TB Thunderbolt Duo」、HGST製「G-Technology G-RAID Removable 8TB」、周辺機器メーカーであるバッファローの「HD-WL4TU3/R1J 4TB」を用意した。
HDDメーカーであるウェスタンデジタル製の外付けHDD。ThunderBoltインターフェースを採用しており、背面に2ポート用意しているためデイジーチェーンも可能だ。外観はシルバーで上部と背面はブラックの配色になっている。筐体外装はプラスチック製。保証期間は安心の3年間だ。
本製品は本体上部が開閉できる構造になっていて、内部にアクセスできる。そこでHDDを取り出してみると中にはNAS向けの高信頼性HDDであるWD REDの「WD40EFRX」が入っていた。付属品としては電源アダプターに加え、ThunderBoltケーブルもついている。ThunderBoltケーブルは純正だと長さ50cmで税別3500円とお高いので付属しているのはウレシイ。
なお、本製品はRAIDコントローラーを搭載しておらず、Mac OSのRAID機能を使う仕組みのいわゆるソフトウェアRAID。といっても接続すれば自動で認識されるが、デフォルトではRAID 0(ストライピング)という高速性を重視した分散書き込みになっているので、いったん解除したうえで前述のUSB HDD×2台のときのようにRAID 1を構築する必要がある。
こちらもHDDメーカーとして有名なHGST(日立)の製品。前面のパネルを押すと手前に開閉する仕組みで、ここから内部へのアクセスが可能となっている。内蔵されていたHDDはHGST製「HDS724040ALE640」。外装はオールアルミ製という贅沢な作りになっている。表面はマットな加工がされていて、アップル製品の質感とよく似ているため、デザイン的な相性もいい。まインターフェースはUSB 3.0、FireWire 800×2、eSATAと豊富なうえ、すべてのケーブルが付属している。3年保証つき。
RAID機能については、コントローラーを内蔵しているハードウェアRAIDだが、初期設定ではRAID 1構成となっている。そのため、メーカーの製品紹介ページにあるサポートへのリンクから、ユーティリティをダウンロードし、RAID 0へと設定し直す手間がある。なおフォーマットはMac向けとなっているので、再フォーマットの必要はない。
もうひとつ気になる点があるとすれば、Macの電源を切ると、本製品のHDDの回転も止まるのだが、全面ロゴの下にあるLEDは常時点灯したままとなる。寝室やディスプレイ周りに置く場合は気になることもあるかもしれない。
周辺機器メーカーであるバッファローのRAID 1対応外付けHDD。インターフェースはUSB 3.0で、低価格ながらRAIDコントローラーを搭載するハードウェアRAIDとなっている。本体前面のパネルを取り外す事で内部にアクセス可能で、内蔵HDDとしてシーゲイト製のBarracuda「ST2000DM001」が入っていた。なお、保証期間は1年となっている。
標準ではFAT32フォーマットとなっているため、ディスクユーティリティーで再フォーマットが必要。ただ、標準設定がRAID 1なので、フォーマットするだけでそのまま使える。付属するCDに入っているユーティリティーにはMac用もあり、RAID設定の変更などが可能だ。
転送速度は僅差でも静音性に差
3つの製品ともBlackmagic Disk Speed Testで転送速度を計測してみた。結果、7200rpmの高速HDDを搭載するG-RAID Removableが書き込みで若干速かったが、読み込み速度についてはHD-WL4TU3/R1Jが僅差で勝っていた。
またHDD2台のミラーリングモードだと、ThunderBoltのMy Bookと、他2台のUSB 3.0製品を見てもわかるように、どちらを選んでもHDDの転送速度自体が追いついていないため問題ない。
ただ、静音性に関しては顕著。暗騒音(計測対象を動かしていない状態での騒音)は25dBA以下という無音に近い状態でベンチマーク中の騒音を計測してみたところ、G-RAID Removableが39dBA、HD-WL4TU3/R1Jは40dBAだったのに対して、My Bookは32dBAだった。
体感でも他2製品が高音のシーク音でより大きく聞こえたものの、My Bookのシーク音は低く耳あたりがキツくなかったのも好印象だ。