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レノボにとってのスマートフォン元年始まる

SIMフリー時代踏まえ、レノボのスマホが国内発売へ

2015年03月27日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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 NEC レノボ・ジャパングループは、新経営体制にあわせた事業方針説明を行い、2015年度中盤から後半にかけて、国内市場向けにスマートフォンを投入する計画を明らかにした。4月1日付けで、NECパーソナルコンピュータおよびレノボ・ジャパンの代表取締役社長に就任する留目真伸氏が言及した。

 また、2015年度下期から、NECパーソナルコンピュータ米沢事業場において、x86サーバーの生産も開始する。今年2月から、ThinkPadの米沢生産を開始しており、それに続いて、レノボブランドの国内生産を拡大することになる。なお、米沢事業場では、今後、レノボブランドのノートPCの生産機種の拡大およびデスクトップPCの生産も開始する予定を明らかにしている。

生年から誕生日まで同じ二人でバトンタッチ

 NEC レノボ・ジャパングループでは、Lenovo NEC Holdings社長兼レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ代表取締役社長のロードリック・ラピン氏が、4月1日付けでレノボ アジアパシフィック地域担当プレジデントに就任。さらに、同氏が兼務で務めていた、NECパーソナルコンピュータおよびレノボ・ジャパンの代表取締役社長に、同じく4月1日付けで留目真伸氏が就任する人事を発表している。

 ラピン氏は、「NECパーソナルコンピュータおよびレノボ・ジャパンは、外国人社長から、日本人社長へとトップが交代し、新たな進化のステージに入っていくことになる。新社長の留目には、個人的にも大きな信任をしており、実績もある。グローバル企業での経験もある」と社長指名理由を説明。また、自らの今後の活動については、「グローバルに観点からも日本は重要な市場であると認識しており、東京にベースを置いて、アジア太平洋地域を担当する」とし、日本に拠点を置きながら、アジア太平洋地域を統括していく姿勢を示した。

レノボの最新の組織図。ラピン氏はアジア太平洋地域のトップに。なお留目氏はNECレノボの合弁の成果が認められ、米国にある本社でそのモトローラやx86事業のオペレーションにもかかわっているそうだ。

 一方、留目氏は、「国内トップシェアのPCメーカーの社長に就任することは気が引き締まる思い。日本とグローバルの融合による『和魂洋才』を大切にしたい。NECパーソナルコンピュータが、日本の市場を理解し、日本でモノづくりを行う企業であるのに対して、レノボ・ジャパンは、グローバルの多品種開発や展開を行う企業。これは、私のバッググランドにも合致するものであり、日本ローカルの特性を生かしながら、グローバルスケールによる経営や提案を進めていく」と述べたほか、「日本人社長として、日本の顧客の身近にいる存在になりたい」と抱負を語った。

2020年までに日本のIT活用力を世界最高レベルに引き上げる

 社長就任要請は、社長人事が発表された3月2日の前週。「いつかは日本法人のオペレーションをやりたいと思っており、それが実現した。ロッドから社長をやってもらうと言われ、即答した」という。

コンシューマーに向けてはデジタルライフの普及、企業に対しては本当に意味のあるIT活用を提案していく。NECレノボの成功体験も生かしていく。

 留目氏は、「PCのトップシェアメーカーの役割として、2020年までにコンシューマ、法人のどちらにおいても、日本のIT活用力を世界最高レベルに引き上げる」と宣言。ライフスタイル改革では「Digital Dramatic Days」を掲げ、生活のなかでコンピューティングパワーを生かした楽しみ方を提案する一方、ワークスタイル改革では「Work Style Innovation」を掲げて、企業の生産性向上に向けた具体的な提案を行っていく姿勢をみせた。

レノボはパソコンだけの会社ではない

 また、ラピン氏は、自らが来日してからの7年間で、レノボ・ジャパンにおけるコンシューマ事業を開始したこと、NECパーソナルコンピュータとジョイントベンチャーのスタートしたこと、それに伴い事業規模が10倍に拡大していることなどを示したほか、2014年度第3四半期(2014年10~12月)の業績が多角化の成果が出ていることを強調。

パソコンが占める割合は65%。モバイルやサーバーといった事業に多角化が進んでいる。

 「PC事業の構成比は65%に留まった。これに対して、モバイルが24%、エンタープライズが9%の構成比となり、収益源の多角化が進んでいる。モトローラのスマートフォン事業の買収、IBMのx86サーバー事業の買収などにより多様化している。だが、PC事業においても、今後も成長を遂げるとみており、サプライチェーンの強みを生かせる」と語った。

 なお、同四半期の売上高は前年比31%増の140億9200万ドル、M&A関連費用を除く税引き前利益は前年比8%増の3億4800万ドルになったという。

 また、NECブランドのPCの開発、生産、販売についても、投資を拡大していく姿勢も強調してみせ、「日本のコンシューマ市場を最も良く知っているのはNECパーソナルコンピュータである。同社が持つユニークな技術や製品を、日本から世界に出していきたい」(ラピン氏)とした。

キャリアから出るか、OSは何になるかも、まだ出せない

 一方で、スマートフォンの国内市場への投入については、キャリアとの連携あるいはSIMフリーによる市場参入であるのかどうか、搭載OSを含めてどんな端末を発売するのかといった詳細については、「改めて発表する機会を設けたい」と述べるに留まった。

最下段の赤枠で囲まれているx86サーバーの生産とスマートフォン参入元年の文字に注目。

 留目氏は、「投入時期は今年度中盤から後半。スマートフォン参入元年と位置づけ、PC、タブレット、サーバーに加えて、コンピューティングデバイスをトータルに提供するベンダーになる。今後は、パートナーとのコラボレーションによって、日本のユーザーに最適なソリューションを提供していくことになる」としたほか、ラピン氏は、「日本のスマートフォン市場は、市場ボリューム、利益確保の観点からも重要な市場である。そのなかで、我々はユニークなプレーヤーになれると考えている」とした。

ライフスタイルとワークスタイル両方の変革を目指す。

 さらに、x86サーバーの米沢事業場における生産については、「米沢事業場は、レノボグループにとって、王冠に輝く宝石のような拠点。CTOに対応しながら5営業日で納品できるほか、アベノミクス効果により、円安が進展したことで、国内生産の経済的メリットが享受できる」と語った。

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