(公社)日本通信販売協会主催の「機能性表示食品制度」前夜祭が24日開催され、通販会社や健康食品関連事業者・広告会社など参加者約600人が、消費者庁担当官による新たな表示制度の解説や、担当官と健康食品会社との対談などに熱心に耳を傾けた。
消費者庁食品表示企画課の塩澤信良調査官は、「機能性食品の届け出等に関するガイドライン(案)」について解説。全国7都市で開催した新制度説明会であまり触れられなかった「システマティック・レビュー(SR)の実施手順(例)」の説明に時間を割いた。塩澤氏は実施手順(例)について、「あくまで1例でこの通りではない」としつつも、「考え方は共通で、実施手順の考え方や単語の意味は理解してほしい」とした。必ず必要な手順として「個々の論文の質の評価」を挙げた。また、「SRの結果と表示しようとする機能性の関連性に関する評価」では、SRの結果と表示しようとする内容に、同等性を求めた。
事業者との対談では、事業者からSRで機能性表示の根拠となる論文が1本しかなかった場合についての質問があり、塩澤氏は「1本の場合でも表示できないわけではない」としつつ、「1本だけの論文を根拠とするのは賭けのようなもの。企業のモラルが問われる部分でもあり、機能性の根拠にできるかどうかよく考えてほしい」と答えた。
前夜祭には安倍首相からのメッセージも寄せられ、「(新制度は)消費者にわかりやすく、的確な情報の提供を促す仕組みとなりました。中小企業・小規模事業者の皆様にもチャンスが広がるものと考えています。課題を世界に先駆けて解決することで、健康食品が新たな成長分野を切り開く重要分野に育っていくことを期待します」と、新制度に期待する安倍首相のメッセージが読み上げられた。
その他、健康食品事業者やJADMAサプリメント部会の取り組みや、アカデミア、マスコミ、消費者団体から見た新制度についての講演が行われた。
(山本 剛資)