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Yahoo! JAPANのクラウド基盤採用に至った経緯を開発側にインタビュー

クラウド移行は重かった?ファーストサーバのエンジニアに聞く

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言語まで統一して臨んだサービス基盤開発

 こうしてインフラ部分をYahoo! JAPANに委託したことで、2013年5月にファーストサーバは上位のサービス基盤の開発プロジェクトがスタートする。これを踏まえ、同社ではIT部門、開発、運用で使う言語をRubyに統一した。「個人的にはPythonがいいなと思っていたんだけど、使うツールやフレームワークでRubyがたくさん使われていることもあって、Rubyになった」(川原氏)という経緯でPerlからRubyに移行した。事故以降は開発や運用の役割分担が必須となったため、言語を統一し、コードレビューを円滑に進める必要があった。「ほかの部の人が異動してきても、言語が同じなので、戸惑わない。学習コストが低く、誰でもコードレビューができるようになった」(上畑氏)とのことだ。

「学習コストが低く、誰でもコードレビューができるようになった」(上原氏)

 とはいえ、これだけ大規模なサービス基盤の開発は同社でも初めてで、どこから手を付ければよいかわからず、設計も大変だった。辻野氏は「カスタマーポータルとお客様のホスティング環境を仲介するプロビジョニングエンジンの役割分担や設計はすごい大変だった。開発陣も満足行くモノを作りたいという思いが強すぎて、工数がかかってしまった」と振り返る。また、カスタマーポータルも設計コンセプトが難しかった。「既存のお客様でも迷わない操作感が重要という声もあったし、トガッタものにしようという意見もあった」(川原氏)とのことで、最終的には今後の拡張を踏まえて、必要最低限に抑えてあるという。

「既存のお客様でも迷わない操作感が重要という声もあったが、トガッタものをやりたいという声もあった」(川原氏)

 サービスや運用も機能面より、安心・安全を最優先。「従来、レンタルサーバー業者はベストエフォート、悪く言えば、ユーザーの自己責任という感じでサービスを提供してきた。今回はこうした要素をなるべく排除しようと思った」(辻野氏)とのことで、リソースのコミットやアクセス制御などをきちんとユーザーで管理できるよう作り込んだ。また、ユーザーや構成管理、カスタマーポータルなどのサービス基盤はもちろん、ユーザー側のVMやChefを用いた運用に関しても、長年の実績やノウハウが凝縮されているという。「今まではサービスごとに管理ツールがあったが、それが1本化されている。マシンに直接ログインする作業はほぼなくなった」(上畑氏)。

 辻野氏は「移行ツールを提供しつつ、サービス自体も成長させることで、昔から使っていただいているお客様にいち早く移りたいと思ってもらいたいですね。移行を機にお客様とお話できるチャンスだと思っています」と長期に渡りそうな移行も前向きに捉える。今後もシンプルさは曲げず、クラウドらしさや使い勝手の向上を盛り込んでいくという。

(提供:ファーストサーバ)

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