富士通研究所は3月25日、電池不要なうえ自在な形状に曲がる無線ビーコンユニットを開発したと発表した。
低電力な無線ビーコンユニットは各種センサーネットワークや屋内測位など活用範囲の広いデバイスだが、ビーコン端末それぞれに給電、または電池交換する手間を考えると導入/運用コストがかさんでしまう。
バッテリー動作のユニットでは、内蔵充電池への蓄電を管理する電源監視回路を備えるが、富士通研究所では必要な電力が蓄えられていれば電源監視回路への給電を一時的に停止する制御技術を開発。従来は通信直前に蓄電量のチェックという動作を省くことで電力変動を軽減し、電源ICも不要とした。
これにより消費電力を大幅に削減し、太陽電池と充電池の組み合わせでは従来の約1/9の太陽電池で動作できるようにしたほか、電源ICなどの部品も削減できた。
この技術を無線ビーコンに適用し、富士通アドバンステクノロジが開発した伸縮可能なシリコンベースの薄膜シートに実装し、厚み25mm、重さ3gの薄型軽量ビーコンを試作した。小型軽量・薄型なことに加えて柔軟性を持つため、曲面などに貼り付けて運用するのに適しているという。