YOGA Tablet担当の伊藤さんに聞く、Yoga Tablet 2-8 with Windows AnyPen
遠藤 なんで8インチにこだわるか。それは私にとってのタブレットはシステム手帳の世界の延長にあるものだから。欲張ったことはやらない。だから小さいほうがいいだろうという考えからですね。いまキーボードはフルサイズ、本体は8型という組み合わせで使っていますが、そういう世界はちょっと新しいなと感じています。
伊藤 YOGA Tabletは、円筒形のバッテリーがヒンジに収めれています。重心が下に来るので自立させるためのスタンドが小さくても、安定して立てられるんですね。ここが受けているところなのかなと。第2世代ではAndroidに加えて、Winodwsにも対応しました。8インチのモデルはキーボードがないのですが、10インチのモデルにはキーボードが同梱し、ラップトップ的な使い方もできる。ここも支持を集めているポイントですね。
遠藤 Androidではプロジェクターつきの13.3型もありますが、8型と10.1型で一番人気があるのはどのモデルなんでしょうか。
伊藤 Windowsでいえば、10.1型ですね。というのは、Windowsタブレットを買う方はOfficeを使う。Officeを使うのであれば、画面が大きいほうがいい。だから10.1型のほうが、受け入れやすいのでしょう。もちろん8型でキーボード搭載もあり得ると思いますが……。逆に8型の難点は画面が小さくなる分、指でタッチしても押し切れないというところですね。これを“AnyPen”という新しい技術でクリアーしていこうと思っています。
遠藤 (実機を手に取りながら)これですかっ! ボールペンだけではなくて、鍵なんかでも書けるわけですね!
伊藤 はい。スタイラスを持ち運ぶのはなかなか面倒な面があります。ネクタイピンなど自分がいま持っているものであれば、何でもスタイラスの代用になるのはメリットだと思います。導電性があって、先端が1mm以上あるものであれば、何でもペンの代わりになりますから。
遠藤 ニンジンで書いている写真も見ました(笑)。さすがに爪で書くのは難しいようですが、教育用途などにはいいかもしれないですね。
伊藤 レノボではこうしたあたらしい要素技術にも力を入れています。まずは8型からですが、今後広げていこうと考えています。世界で初めてレノボが採用した技術ですし、1月のCESで発表して14個の賞を獲得できました。使いやすさを実感していただければと。
遠藤 アラン・ケイが考えたダイナブックも最初はただのタブレットみたいな形をしていました。それで済むなら直感的だし、もともと私もタッチが好きなんです。確かに、マウスの発明は画期的だった。コンピューターの世界では「車輪」に相当する大発明かもしれない。でもその歴史は意外と新しい。1983年にAppleからLisaが出て、XeroxのJ-StarやNECのPC-100もあったんだけど、ポピュラーになるには時間がかかりました。でも本当はタッチのほうが直感的ですよね。ただ、デバイスが追いついていなかった。
伊藤 そうですね。マウスは動かしてクリックしてという複数のアクションで操作するのに対してタッチはワンアクションで済みますから。
遠藤 パズドラなんかはフリップの快感でヒットしている面があるでしょう。あれはマウスじゃできない。
Windowsの拡大鏡もマウスで使うとダサいけれど、ピンチ操作なら気軽にできたりとか。でも、タッチの利点ってソフトを作る側は意外と理解できてないんですよ。(1990年代の後半に)富士通が舘ひろしやタッチおじさんで訴求したりしたこともあったんですが、タッチのよさはもっと低次元なところですよね。ピンチはそれを如実に現しているし、そのころWindowsでタッチが流行ると考えた人も少なかった。
伊藤 ITの世界も10年前のことをかんがえると大きく変わってしまいました。だからこの先の10年がどうなっているかはわからないですね。スマホが普及して状況が変わりました。ただビジネスの世界ではWindowsはまだまだ残っていますし、Windowsでタッチを快適に使いたいという人も増えてくるでしょう。
遠藤 UIに関しては、まだまだ答えが出ていないという面がありますよね。そんな中、登場したAnyPenは、さわってみて初めて分かるよさがあるように思います。たとえばペンで書いても画面に意外とインクが付かないとか。
伊藤 普通にタッチする程度なら、インクも付きづらいですね。導電性が必要なので、完全なプラスチックのペン先ではダメですし、1mmより細いボールペンもダメなんですが、指先ではタッチしにくい、操作しづらいというWindowsタブレット特有の問題点をソリューションとして解決しています。ぜひ店頭で触ってほしい製品です!