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初開催! 簡易水冷CPUクーラー王座決定戦 第2回

簡易水冷クーラー7製品の冷却性能を見極める!!【第2回】

2015年03月25日 12時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII.jp

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7600円前後と手頃な価格の
Thermaltake「Water 3.0 Performer C」

 続いては、久しぶりに本格水冷向けの各種パーツを発売したThermaltake製の簡易水冷クーラー「Water 3.0 Performer C(CLW0222-B)」。Thermaltakeの本格水冷の歴史は長く、水枕やポンプ、ラジエーターなどの一式がセットになっている製品を古くから世に出しているので、要注目の製品だ。

オーソドックスな構成となるThermaltake「Water 3.0 Performer C(CLW0222-B)」。7600円前後と手頃な価格になっている

●対応ソケット:LGA1150/1155/1156/1366/2011、Socket AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●ラジエーター寸法:120(W)×27(D)×151(H)mm
●ファン寸法:120(W)×25(D)×120(H)mm
●ファン回転数:1200~2000rpm
●風量:~81.32CFM
●ノイズ:~27.36dBA
●実売価格:7600円前後
●製品情報URL:http://www.ask-corp.jp/products/thermaltake/cpu-cooler/water3-performer-c.html

 120mmサイズの27mm厚ラジエーターとシングルファン仕様となる「Water 3.0 Performer C(CLW0222-B)」は、昨年末に発売した最新モデルで、ファンブレードに2つの曲面を設けることで、風量をアップさせた「ダブルカーブファン」が付属しているのが特徴になる。

 さらに3月からはファンの最大回転数を1200rpm相当まで抑え、静音性をアップさせられるLNCケーブル(Low-Noise Cable)が新たに付属するようになっている(関連リンク)。ほかの製品とはテスト条件が異なるが、このLNCケーブルを要いた状態もテストしてあるので、一緒に掲載しておこう。

低価格だが水枕の受熱部は銅製ベースを採用しており、コンパクトサイズになっている

放熱で重要なラジエーターのフィン間隔は細かくなっている。搭載ファンの静圧(空気を送り出す力)が重要になりそうだ

 なお、コストを抑えた低価格帯の製品とあってか、かなり取り付け面はいただけなかった。バックパネル式なのはほかの製品と同じなので別段良いのだが、水枕の取り付け金具をCPUソケットに合わせて、複数部品を使って組み立てる必要があったり、使用する部品の説明がわかりづらかったり、部品記載の文字が読みづらかったりと、まったく洗練されていないのだ。

 固定金具の形状や方法から考えるに、簡易水冷クーラーの火付け役となったCorsair「CWCH50-1」と同じデンマークのAsetek社のOEM品だと思われる。

ブレードに2つの曲面を設けることで、風量をアップさせたダブルカーブファンが付属

「Water 3.0 Performer C(CLW0222-B)」の固定部品。どこかで見たことある形状のバックプレートやマウンターになっている

 DEEPCOOL「MAELSTROM 120」と比べると、若干温度は下がっているが、CPUの最大温度は94度に達している。当然、ファン回転数も、動作音が気になってくる1500~1900rpmでの動作が増えることになり、テスト中の騒音値は44dBA~50dBA程度になっていた。

 LNCケーブルでファンの最大回転数を制御した場合は、さらにCPU温度は上昇したが、静音性は大幅に向上。テスト中は常に40dBAを切るようになったのはポイント。

 オーバークロックしたCPUに使うには、ちょっと冷却性能がギリギリになるが、主流のLGA1150 CPUの定格運用には問題ない冷却性能を備えていると言えるだろう。LNCケーブルを使えば、マザーボードのファンコントロール設定をいろいろ試さずとも、簡単に静音仕様にできるのも良いところだ。

アイドル時
  CPU温度 ファンノイズ ファン回転数
  34 ℃ 36.3 dBA 1041 rpm
純正より +7 ℃ +1.2 dBA -609 rpm
高負荷時
  CPU温度 最高CPU温度 ファンノイズ ファン回転数
  83 ℃ 94 ℃ 49.5 dBA 1844 rpm
純正より -10 ℃ -4 ℃ +11 dBA -258 rpm

CPU:OCCTテスト中の温度推移。10分間のストレステストと5分間の待機状態

LNCケーブル使用 アイドル時
  CPU温度 ファンノイズ ファン回転数
  36 ℃ 34.5 dBA 846 rpm
純正より +9 ℃ -0.6 dBA -804 rpm
LNCケーブル使用 高負荷時
  CPU温度 最高CPU温度 ファンノイズ ファン回転数
  87 ℃ 96 ℃ 38.2 dBA 1195 rpm
純正より -6 ℃ -2 ℃ -0.3 dBA -907 rpm

LNCケーブルを使って最大ファン回転数を1200rpmに制御した際のOCCTテスト中の温度推移

→次のページヘ続く (ENERMAX「LIQMAX II 120S」

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