2012年登場の定番モデル
Corsair「H80i」
1機目は、すでに登場から2年以上経っているものの、多くのショップが在庫しているド鉄板簡易水冷クーラーのCorsair「H80i(CW-9060008-WW)」だ。120(W)×44(D)×156(H)mmのラジエーターを2基の120mmファンでサンドイッチ。44mmの厚めのラジエーターと大風量で、冷却液の放熱を高めている。
●対応ソケット:LGA1150/1155/1156/1366/2011、Socket AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●ラジエーター寸法:120(W)×44(D)×156(H)mm
●水枕寸法:65(W)×65(D)×32(H)mm
●ファン寸法:120(W)×25(D)×120(H)mm
●ファン回転数:最大2700rpm±10%
●風量:77CFM
●ノイズ:37.68dBA
●実売価格:1万1000円前後
●製品情報URL:http://www.links.co.jp/item/h80i/
製品の発売開始はちょっと前になるが、44mmと多くの簡易水冷クーラーが採用しているラジエーターよりも10mm以上厚いラジエーターや、65×65×32mmとコンパクトで銅製ベースの水枕など、最新モデルと比べてもマイナス点は見当たらない。
取り付けのしやすさに影響するチューブは、柔軟に曲がりつつ、折れて水流を妨げることはない適度な固さを備えており、チューブの取り回しは楽だ。チューブ長が約250mmと若干短めになっているので、PCケースのレイアウト次第では、取り付け場所を考える必要があるが、Mini-ITX向けの小型PCケースでは、逆に取り回しが楽になる側面もある。
水枕の固定はバックプレート式だが、水枕の取り付けはチューブの取り回しのしやすさもあって容易。大型の空冷CPUクーラーだと、どうしてもヒートシンクの固定にひと苦労することがあるが、その辺の心配は無用だろう。
Corsairのシステム統合管理ツール「Corsair Link Software」(水枕をUSBピンヘッダでマザーボードに接続する必要がある)に対応しているので、水枕に内蔵されているLEDの発光色を変更したり、ファンなどの回転数をチェックしたりすることができるのもポイントだ。
ただ、テストでは他社製品と条件を合わせるためファンはマザーボード上のPWMファンコネクターに接続している。
最大2700rpm±10%の回転数になる120mmファン×2基とあって、ファン回転数が2000rpm台になると、うるさいと感じてしまうレベルに。
さらにCPU温度が80度近くになると、一気にファンが2866rpmで回転。このときの騒音値は60dBA近くと爆音状態に。すぐにCPU温度は下がるので、ファンの回転数は落ちるが、急に10dBA近く騒音値が上がると、かなり気になってしまう。
Corsair製品だけではないが、ファンのフル回転状態は、PC電源オン→UEFI制御に移行するまでの間も発生する。
オーバークロック状態、コア電圧1.35Vの状態でもCPU温度は65度から70度台前半と、さすが簡易水冷クーラーの火付け役となった「CWCH50-1」(開発元はAsetek社)を世に出したCorsairが扱う製品だけあって、高い冷却性能を発揮。
この温度帯でのファン回転数は1600rpm程度で、騒音値は30後半~40dBA台と許容範囲と言える数値だったのも高評価できる。
アイドル時はファン回転数が2基とも715rpmまでダウン。騒音値は36.3dBAと、ポンプの動作音がちょっとするくらいになる。CPU高負荷時に爆音にならないよう、ファン回転数の調節は必要になるが、冷却性と静音性の両立を目指せるかも。
アイドル時 | |||
---|---|---|---|
CPU温度 | ファンノイズ | ファン回転数 | |
30 ℃ | 36.3 dBA | 715 rpm | |
純正より | +3 ℃ | +1.2 dBA | -935 rpm |
高負荷時 | ||||
---|---|---|---|---|
CPU温度 | 最高CPU温度 | ファンノイズ | ファン回転数 | |
77 ℃ | 83 ℃ | 48.6 dBA | 1930 rpm | |
純正より | -16 ℃ | -15 ℃ | -10.1 dBA | -172 rpm |
→次のページヘ続く (CoolerMaster「Seidon 120X」)
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