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初開催! 簡易水冷CPUクーラー王座決定戦 第1回

簡易水冷クーラー7製品の冷却性能を見極める!!【第1回】

2015年03月24日 12時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII.jp

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静音特化か!? Fractal Designが手がけた
水冷クーラー「Kelvin T12」

 厚型ラジエーター採用モデルの最後は、静音PCケースでお馴染みのFractal Design製の「Kelvin T12(FD-WCU-KELVIN-T12-BK)」をテストしていこう。

 Fractal Design製だけあって、スペックの騒音値はファンが26.9dBA、ポンプが25dBAと静音重視になっている。水枕のヘッドだけでなく、ラジエーターも銅製になっており、ラジエーターの厚さは今回試した120mmラジエーター採用製品のなかで最も厚い46mmになる。

 静音を重視すると、どうしてもファンの回転数や風量が低下してしまうため、同製品ではラジエーターの放熱面積を増やし、冷却性能を落とさない設計思想が垣間見える。

Fractal Design「Kelvin T12(FD-WCU-KELVIN-T12-BK)」。1万8000円前後と割高感のある価格設定だが、その性能は果たして!?

●対応ソケット:LGA775/1150/1155/1156/1366/2011、Socket AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●ラジエーター寸法:136(W)×46(D)×163(H)mm
●水枕寸法:69(W)×69(D)×40(H)mm
●ファン寸法:120(W)×25(D)×120(H)mm
●ファン回転数:800~1700rpm
●風量:62.4CFM
●ノイズ:26.9dBA
●実売価格:1万8000円前後
●製品情報URL:http://www.fractal-design.jp/home/water-cooling/t12

 構成はここまでの製品と同じく、厚型の120mmラジエーター&デュアルファン仕様になっているが、簡易水冷クーラーというよりは、本格水冷の組み立て済みモデルといった感じで、冷却液の補充や水枕、ラジエーターの増設などが行なえる。

 実際、ドイツの本格水冷パーツメーカーAlphacoolとの共同開発がうたわれており、チューブ径は本格水冷向けに販売されている内径8mm、外径11mmを採用。「Kelvin T12」のパーツを使いつつ、本格水冷にアップグレード可能だ。

 もちろん、構成する水冷パーツや流路(高低差)などによっては、ポンプの性能(水流量)が不足したり、アルミニウムと銅など2つの金属による電解腐食が発生したりといったことも起こり得るので、本格水冷の注意点はしっかり学ぶ必要はある。

 取り付け工程は、水枕にCPUソケットに合わせた固定マウンターやネジを取り付ける必要があるため、Corsairなどと比べると工程は多くなっている。ただ、大きなイラストで解説されているので、悩むことなくスムーズに固定できる。

 ファン固定用ネジの頭は+ではなく、六角になっている。内部スペースの少ないPCケースでは、ドライバーよりも締めやすいので、そのためかも知れないが、一般的なPCケースではちょっと不便。工具は付属しているので、別途用意する必要はないが、無くさないように注意したい。

 チューブはかなり柔らかく、取り回しの自由度は高くなっているので、小型PCケースへの取り付けも容易だろう。

CPUの受熱部は銅製で、水枕内蔵ポンプのスペックは、回転数が2400rpm、最大水流量は72L/h。5000円程度の本格水冷向けポンプでも、流水量は400l/hあるので、ビデオカード用水枕と大型ラジエーターを増設した場合は、流水量がちょっと心配

ラジエーターは今回試した製品のなかで、最も厚い46mm厚で、水枕のヘッドと同じく、銅製になっている

保証対象外だが水枕とラジエーター間のチューブは取り外しが可能。フィッティングは、一般的なG1/4インチを採用しており、水冷パーツを無駄にすることなく、本格水冷に移行できる。マニュアルには、ビデオカード用水枕やラジエーター増設時の流路例も記載されていた

 動作させての第一印象は、残念ながら“うるさい”だった「Kelvin T12」。流水路内のエアがポンプの回転部に入っているエア噛み状態かな~と思い、数時間動作させたママにしたり、水枕を傾けたりと、本格水冷でおなじみのエア抜き作業をしてみたが変化はなし。

 ポンプの振動による固定部とのビビリ音なども疑ったが、結局、耳ざわりな低めのブーンという、スピーカー最大音量時のノイズのような音を発し続け、ファンを停止した状態でも騒音値は39.6dBAに達する、かなり残念な結果になった。

 バラック状態なので、PCケースに収めれば30dBA半ば程度にはなると思われるが、静音性重視のPCケースと組み合わせたほうが、より確実だろう。

 この段階で、アイドル時も40dBAオーバーが確定してしまったわけだが、冷却面に期待して続けてストレステストを実行。しかし冷却性能は突出することなく、CoolerMaster「Seidon 120X」と同レベルになった。

 高負荷時の静音性も微妙で、ファン回転数が、ほぼ最大になるCPU温度80度オーバーの状態では、50.4dBAになった。完全にポンプのノイズが足を引っ張っている……。

 1万8000円前後の価格を考慮すると、冷却性能、静音性ともにかなり微妙と言わざるを得ないだろう。

アイドル時
  CPU温度 ファンノイズ ファン回転数
  33 ℃ 41.2 dBA 748 rpm
純正より +6 ℃ +6.1 dBA -902 rpm
高負荷時
  CPU温度 最高CPU温度 ファンノイズ ファン回転数
  77 ℃ 87 ℃ 45.2 dBA 1371 rpm
純正より -16 ℃ -11 ℃ -6.7 dBA -731 rpm

CPU:OCCTテスト中の温度推移。10分間のストレステストと5分間の待機状態

→次のページヘ続く (ラジエーターの大きさでどれだけ性能に差が出る?

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