2台買うメリットは十分ある
2台買っても割引設定などはないので、値段はそのまま倍になります。その際、大体1万9000円という値段になるわけですが、これが同じソニーのBluetoothスピーカー「SRS-X33」の価格帯に被るのが絶妙です(SRS-X33は直販で1万8230円)。
SRS-X33はステレオ一体型で、34mm径のフルレンジスピーカー2基に、キャビネット前後に配置されたパッシブラジエーターというユニット構成で、DSPで盛った感じはあるものの、単体で使うならSRS-X33の方が音のバランスは上手です。低域も高域もよく出ます。
が、SRS-X11を2台使う前提なら、結構いい勝負かもしれません。SRS-X33の出力は10W+10Wで、ステレオで使うならSRS-X11と同じ。重さは、SRS-X33がおよそ730g、SRS-X11はおよそ215g。つまり2台ペアで使ってもSRS-X33より軽いわけですし、携帯時には1台だけ持っていくこともできます。
SRS-X33には、DSPで擬似的にステレオ音場を拡張する「SOUND」ボタンがありますが、SRS-X11は2台を離せばリアルにステレオ音場を拡張できます。Bluetoothの電波が届く範囲で、電源ケーブルにもスピーカーケーブルにも縛られず、2台のSRS-X11は自由にレイアウトできるわけです。
携帯性を重視しつつも、家の中では(もちろん出先でも)ステレオで聴きたいという欲張りな要望に対して、SRS-X11をペアで使うメリットは大きいと感じました。本当に何でもっと宣伝しないんだろう? というのが素直な感想です。
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著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ