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飯田橋クラウドクラブ(略称:イイクラ) 第9回

国内リージョンは?AWSとガチンコ勝負になるのか?

GCP上陸で風向きが変わる?Googleクラウド反撃ののろしの巻

2015年04月03日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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(Googleが)好きなんだけど~AWSなのさ~♪

大谷:2011年にAWSが東京リージョン立ち上げて、昨年はマイクロソフトやIBMもデータセンター持ってきましたが、Googleはまだです。データセンターが日本にないというのはやはり課題ですか?

吉積:それは大きいと思います。

上田:私も、今のプロジェクトはバックエンドがAWSなんです。プロジェクトがスタートした時には、GCPがアジアになかったからです。

得上:ネットワーク的に遠かったと。

上田:はい。去年、台湾にリージョンができて、専用線でつないでいるので、かなり速いんです。でも、AWSの東京リージョンと比べると、遅延は倍になってしまう。私が好きなGAEは、今もアジアにはないです。だから個人的にはGoogleは好きなんですが、発注する会社が公平に選択すると、やっぱりAWSなんです。

台湾データセンターにGCEやCloud SQL、Cloud Storageまでは来ているけど……

大谷:エンジニアとしては、ちょっと切ないですね。

上田:GAEは日本に持ってきてほしいとずっと言っているのですが、日本にユーザーが少ないから持って行けないという答えが返ってくるんです。結局、「鶏が先か、卵が先か」という話になってしまう。

今年はGCPスタートの年になる!いや、なって!!

吉積:とはいえ、AWSもまだデータセンター借りていて、自前のデータセンター持ってないんですよね。

得上:物流倉庫は建てるのに。

吉積:その点、Googleは電気代安いところにデータセンター自前で保有している。世界で一番多くデータセンターを保有しているし、ネットワークも自前です。

上田:確かに、そこはGoogleの強さかな。日本と北米を直接つなげる。

Googleのデータセンターの内部写真。早く日本に来てー

吉積:だから、AWSと値下げ競争やったら、いつか勝てる日が来ると思うんですけどね。実際、アジアのアウトバウンドのトラフィック課金が昨年10月の値下げでAWSを下回った。性能面もGoogleの方が高いので、単体の価格はAWSより安くなった。

上田:プロダクト面では確かにAWSに負けているところは多いけど、本当に単体のサーバーを借りたい場合は、Googleクラウドを使いやすくなってますね。

大谷:こうなるとGoogle日本リージョンまだー?という話になるですが。

吉積:毎月Googleといっしょにセミナーやってますが、去年の夏までは「日本リージョンはできますか?」という質問をすると、彼らは明確に「できません」と答えてたんです。でも、最近は「できません」とは言わなくなりました。

大谷:怪しいですねえー。

吉積:年末から来年の頭くらいにいいニュースが流れればと期待しています。

大谷:ビミョーですねえー。

(次ページ、時代の先を行きすぎたGoogleクラウドが市場に戻ってくる?)


 

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