カスペルスキーは3月17日、対サイバー攻撃演習のトレーニングサービス「Kaspersky Industrial Protection Simulation(KIPS)」の日本市場における本格提供開始を発表した。重要インフラをサイバー攻撃から防御するゲームへの参加を通じて、サイバーインシデントへの考察と理解を深める。
KIPSは、ボードゲームとオンラインアプリケーションを組み合わせた、参加型の対サイバー攻撃演習サービス。日本では、正規トレーニングパートナーである制御システムメーカーのMHPSコントロールシステムズが3月20日から販売する。所要時間は約2時間で、最少催行人数は10名、価格は30万円(税抜)から。
KIPSの参加者は、数名ずつのグループに分かれたのち、条件や指示が書かれた30枚のカードと決められた予算、作業時間を有効に使いながら、サイバー攻撃を受けている水処理施設を守るための効果的な対抗策を実施する。「最も高い生産高を維持したチームが勝利する」というゲーム性を持たせながら、ゲーム終了後には、攻撃者のシナリオと各チームの対応を比較しながら、参加者全員がゲーム上のインシデントに対する考察と理解を深める仕組み。
カスペルスキーでは、これまでに米国、ロシア、マレーシア、英国など10カ国以上でKIPSを提供しており、今年2月には欧州原子核研究機構(CERN)でもゲームを実施した。日本では昨年5月から試験提供を開始していた。
同社では今後、ゲーム中のサイバー攻撃シナリオを拡充し、発電施設などより専門性の高い重要インフラ事業者向けの演習も提供していく予定だとしている。