2015年の転換期、メーカーはパソコン市場をこう考えている

「VAIO Z」の先に、何があるのか―VAIOの未来を聞く

文●鈴木誠史/ASCII.jp

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ソニー時代ではありえなかったことをやった

── 「VAIO Z」のプロジェクトは、いつ始まったものなのでしょうか。

花里 新会社設立後から本格的にスタートしました。ただ、載せる技術はソニー時代から準備を進めていましたね。

── 技術といえば、国内のメーカーの技術を結集して開発された製品である点も話題となりました。こちらは新生VAIOの特徴かと思っていたのですが、これもソニー時代からあったのですか?

花里 例えば東レさんとずっと一緒にやってきたように、あれは過去から続けてきたものなんです。それを表に出すということが、今までにない、新会社だからこそできる試みでした。ソニー時代ではありえなかったことです。

VAIO Z発表会でのスライド。協業6社を公開し「ただの国産ではない。それはまさに日本代表」と表現した

── 国内メーカーでは垂直統合や自社生産を重視します。協業を積極的にアピールするのはVAIOという新しい会社だからできたことなんですね。

花里 はい。製品発表当日に、一般のお客様に集まってもらうイベントも過去1度あったかどうかというくらい。生中継をするのも初めてでしたね。それと「VAIO Z Canvas」の、「開発段階からお見せする」なんてのは過去絶対にやらなかったことですね。

 「いま世の中にないもの」という意味ではVAIO ZもVAIO Z Canvasも同じですが、VAIO Zに関しては「これがVAIOだ」と我々から提案する意味合いが強くあります。だからこそ、発表も突然のタイミングになりました。反対にVAIO Z Canvasは、お客様からのフィードバックを反映させながら開発を進めてきた製品です。今までにないコミュニケーション方法を含め、新しいことをやってきたつもりです。

12.3型タブレット「VAIO Z Canvas」

── 海外からの反応もあったのではないですか?

花里 VAIO Z Canvasについて「Adobe MAX(※)に出したのになぜ米国で売ってくれないんだ!」という声など、沢山頂きました。海外展開も検討を進めている最中です。

 ※「Adobe MAX」:アドビが開催するクリエイター向けイベント。2014年10月のロサンゼルス開催時に、VAIO Z Canvasは「VAIO Prototype Tablet PC」として世界初公開された。


(次ページ、「"VAIO売却"から"VAIO Z発表"まで」)

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