Appleイベント「Spring Forward」レポート - 新「MacBook」編
2015年03月14日 11時00分更新
新概念を次々投入した新型MacBook
そして、いよいよメインディッシュのひとつであるMac新製品だ。まず新しいMac製品のイメージ動画が流れると、ステージ奥からCook氏が新型MacBookを手に登場した。従来のMacBook Air以上に薄型フォルムで、最近の同社のMac製品としては珍しいゴールドカラーの外観のモデルとなっている。その後に登場した同社ワールドワイドマーケティング担当SVPのPhil Schiller氏は、この製品の名称が「MacBook」であることを紹介し、ある意味でAppleの「ノートPC」の原点回帰ともいえる意気込みを持って開発された製品であることを強調している。
同社が「Re-invent」(再発明)と銘打っているように、ユニボディ採用以降のMacBookがどことなくマイナーチェンジの繰り返しだったのに対し、新型MacBookでは非常に画期的な新機能や新機軸をいくつも精力的に盛り込んできている。
そのひとつが新しくデザインされたキーボードで、フルサイズのキーボードをうたいながら、キートップのサイズは従来製品よりも若干拡大され、そのぶんキー間の隙間が小さくなっている。
キータッチのメカニカル動作部分も新技術が投入され、本体薄型でキーストロークが浅くなった違和感を消すように、キー全体が均等に沈み込む、機構がシンプル化された新しいものが採用された。
さらに薄型化されたディスプレイは12インチと、従来の11インチ、13インチ、15インチのラインナップとは異なるサイズのものが採用され、解像度も2304×1440ピクセルと、やはり従来とは異なるピクセル数のRetinaディスプレイとなっている。
今回新たに導入された概念が「Force Touch」と呼ばれる仕組みで、ユニボディ以降のトラックパッドが「押すと全体が沈み込む」という形で「クリックのオン/オフ」をスイッチで表現していたのに対し、新しいForce Touch対応トラックパッドは「感圧センサー」となり、「単純なクリック」と「強く押した状態のクリック」を区別することができるようになった。これはマウス操作のジェスチャーに新しいアクションが加わったことを意味し、例えばアプリケーションによっては「選択単語の辞書検索」「ファイルのプレビュー表示」といった具合に個別に動作を設定できる。使い方次第でいろいろ面白いことが可能だろう。
本体の薄型化は非常に大きなポイントだが、同時にこれは「搭載バッテリ容量の減少」と「プロセッサの放熱問題」にもつながる。
今回のMacBookは従来のIntel Core iプロセッサからCore-Mプロセッサへと変更することで、同シリーズとしては初のファンレス設計に対応し、さらにロジックボードの大幅な小型化でバッテリ積載量の増加に貢献している。
さらにバッテリ自体にも搭載に際して工夫が行われている。本来であればMacBook Airが採用しているような極端なエッジデザインでは本体中央部以外の内部容積が少なく、特にエッジ部に隙間ができやすい。MacBookでは専用のバッテリをデザインすることでこの問題をクリアし、エッジ先端までほぼ隙間なく本体内部を埋めることを可能にし、37%ほど容積率を上げているという。
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