「有線接続はUSB Type-Cが当たり前」の時代がくる?
新MacBookやChromebookに採用の「USB Type-C」とは?
2015年03月14日 12時00分更新
そして、USB 3.1とは?
USBにはType-Xのほか、1.0、1.1、2.0……と数字による規格も設けられている。
Typeがコネクターとポートの形状を表しているのに対し、数字は転送速度や給電能力の違いを世代別に表している。初のUSB規格は1996年に策定された「USB 1.0」で、1998年の「USB 1.1」、今でも広く使われている2000年の「USB 2.0」、2008年の「USB 3.0」と続く。
最新の規格は、2013年に策定された「USB 3.1」。USB 3.0には「SuperSpeed USB」の通称があるが、USB 3.1の通称は(現時点では)「SuperSpeed+ USB 10Gbps」。名の通り理論値で最大10Gbpsでのデータ転送が可能で、実測では、USB 3.0と比べて、2倍以上速くデータをやり取りできる。
USB 1.1からUSB 3.0までは下位互換性があるため、たとえばUSB 2.0ポートにUSB 3.0規格の機器を接続しても、性能が下位に依存する点をのぞけば、ほとんどの場合問題なく動作するが、USB 3.1も同じく過去の世代との互換性を持つ。
注意しておきたいのは、USB 3.1なら必ずしもUSB Type-Cというわけではなく、USB Type-Cなら必ずしもUSB 3.1とは限らないという点。USB Implementers Forumが公開している仕様表(リンク先からダウンロード可能)には、USB Type-Cの形状でUSB 2.0規格の仕様も載っている。
しばらくは、USB 3.1規格のUSB Type-A、USB Type-B端子を搭載したUSB 3.1対応機器、あるいはUSB 3.0規格、USB 2.0規格のUSB Type-Cコネクター搭載機器などが混在するかもしれない。
USB 3.1規格についてはこちらに詳しい。
すべての接続をUSB Type-Cでまかなう時代になる?
「Type-C - Type-Cのケーブルをさまざまなホストとデバイスに使い回せる時代になることも期待できる」と前述したが、これには、もうひとつ大きな理由がある。
米Video Electronics Standards Association(VESA)という映像規格の団体が、USB Type-CにDisplayPortの働きをさせる「DisplayPort Alternate Mode」という規格を策定したためだ。
新MacBookは早速この規格を採用しているため、USB Type-Cポート経由でのデータ転送、給電に加えて、映像の伝送も可能(ポートが1つしかないため、今のところデータを転送したり、映像を出力しながら充電するにはアダプターが必須)。
この規格に対応したUSB Type-Cコネクター搭載機器が増えれば、データ転送、映像伝送、給電がすべてUSB Type-C経由でまかなえるということになる。充電は電源コネクター、データ転送はUSB、映像の出力はHDMI、HDMIは対応していないからVGAアダプターが必要、DisplayPortしかないから対応ケーブルが必要……という、現在の悩ましいケーブル事情を一気に解消してしまう。
グーグルが3月11日に発表した新しいChromebook PixelにもUSB Type-Cが搭載されているが、グーグルによる公式動画では、プロダクトマネージャーのアダム・ロドリゲス氏が「将来的にAndroidスマートフォンにも採用していくだろう」と発言していることから、今後はUSB Type-Cを採用したスマートフォンが登場してくることも予想できる。
また、双方向に給電できる、最大給電容量100W、というType-Cの特徴を生かした、映像を受けながらホスト側に給電できるディスプレーといった今までにない周辺機器の登場も期待できるだろう。
Micro-USBクラスの大きさ、これまで必要だったポートを省ける仕様は本体の薄型化にも貢献するだろうし、「有線接続といえばUSB Type-C」の時代が来るのも遠くないかもしれない(このあたりはどれだけの機器がUSB 3.1に対応したType-Cポート、コネクターを設けるかにもよるが)。
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