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新規獲得受難の時代、コストを抑えて継続率を上げる手法とは?(2)

2015年03月09日 08時06分更新

記事提供:通販通信

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「3回安定の法則」とは?

【継続率向上CASE2】シールをためてプレゼント(1)
ある化粧品メーカーB社には、定期コースが3回続けば、その後は順調に定期コースを継続する傾向が見られた。そこで、商品1回の配送ごとにシールを1枚同梱し、シールを3枚ためると、景品をプレゼントするキャンペーンを実施し、継続率のアップに成功した。
アナログ的な手法だが、B社はシールを送って3回の継続を維持させることで、定期コースの継続率を向上させた。

【継続率向上CASE3】シールをためてプレゼント(2)
健康食品メーカーC社の事例。これもシールを送付する事例だが、C社は定期コースをA・B・Cコースに分け、シールの枚数によってプレゼンが変わるという販売方法を取っていた。こうすると、継続をやめようと思っても「あともう少しシールが貯まり、プレゼントがもらえる」という心理が働き、定期継続につながりやすいという。アナログ的なシールを利用せず、ネットでもマイページなどでポイントを管理することはできる。しかし、C社はネットでポイントを管理したこともあったが、ユーザーから不評で中止したという。ポイントを貯める作業はアナログだが紙のカードが有効と言える。

シールの事例を2件見てきたが、長年、シールによって実績を上げている企業がある。その代表格が赤ペン先生の「進研ゼミ」だ。進研ゼミでは、受講者が課題を送付すれば、赤ペン先生の解答とともにシールが同封され、シールをためるとプレゼントがもらえる。プレゼントほしさに課題を提出する子供たちも多いようだ。進研ゼミは数十年以上も前からこの手法を実施しており、長年実績がある確立された手法だと言える。

また小売業界には古くから「3回安定の法則」という言葉があり、新規客が3回来店すると固定客になりやすいという特性を言い表している。通販でもまずは3回購入してもらうための仕掛けが重要であると言える。

(つづく)
(取材・文:山本 剛資)

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new_辻口勝也
■プロフィール
(株)通販総研 代表取締役 辻口勝也
健康食品、食品、化粧品、飲食業界を中心とした通信販売企業のコンサルティングを手掛ける。販売データ分析から把握できる数字による指標や、現場社員からの意見・アイデアを重視し、実地に沿ったコンサルティングに定評がある。

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【連載コラム】
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