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Atermは本当にスゴイの? Atermマニアックス覆面座談会

2015年03月17日 11時00分更新

文● 高橋量、編集●Atermマニアックス

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Atermシリーズはなぜこんなにコンパクトなの?

T: 私がAtermシリーズで個人的に気に入っているのは、筐体がコンパクトで縦向きでも横向きでも設置しやすい点ですね。

Atermシリーズはコンパクトで、しかも縦向きでも横向きでも設置しやすい(写真は「Aterm WG1200HP」)

マッキー: そうなんですよ。「Aterm WF800HP」を買うときにショップでモック(模型)を見たんですけど、Atermのルーターってすっごく小さいですよね。この「Aterm WG1200HP」も、他社製品の半分くらいの大きさしかないし。どうしてこんなに小さいんですか?

「Aterm WG1200HP」のコンパクトなボディに、覆面ごしながら驚きを隠せないマッキー

T: これはAtermユーザーなら当然チェックしておくべきポイントなんだけれども、「μ(マイクロ)SRアンテナ」と「μ(マイクロ)EBG」という、NEC独自の技術が関与しているんですよ。まず「μSRアンテナ」は、基板に直接組み込まれている超小型のアンテナ。従来の技術では電波干渉が発生しないよう基板上に設置したアンテナの周辺にある程度の空きスペースが必要だったんだけど、コンパクトな「μSRアンテナ」は密集した状態で設置できるワケ。この技術によって、アンテナの専有面積を88パーセントも減らすことができたらしい。

基板上に設置された「μSRアンテナ」。米粒ほどの大きさでありながら、全方向に向けた高い電波感度を実現している。あまりに小さいので、NECプラットフォームズの方に教えてもらえないと、アンテナと気が付かなかった

T: そしてもうひとつの「μEBG」は、電子機器では避けては通れない「電磁波ノイズ」を解決するための技術。特にWi-Fi機器の場合はノイズが多いと通信速度が低下するので、ノイズを極力抑えなきゃならない。そこでコンデンサーとかコイルとか、あるいは電波吸収シートなどの部品を大量に使うわけですよ。そうなると必然的に、基板のサイズも大きくなりますよね?

ドロイドさん: 当然、そうなりますね。

T: でも、NECの開発した「μEBG」は、専用の対策部品を使うことなくノイズを遮断できるんです。それがどんなものかって言うと、基板上にプリントされたグルグルの“ナルト”みたいな模様だけ。実際には「メタマテリアル」って言う非常に特殊な人工物質が使われているわけなんですけど、このノイズを遮断するナルトみたいなのが基板上あるいは基板の層の中にいくつも埋め込まれている。だから、ほかのノイズ遮断用部品を使わずにすむようになり、その結果として基板のサイズを小さくできたんです。

特殊ならせん構造により電磁波ノイズを遮断する「μEBG」。その技術は、NEC東芝スペースシステムが開発した人工衛星用のGPS受信機にも使われている

パンダ: どう、わかった?

マッキー: ええ、アンテナと“ナルト”が偉大だってことはわかりました。

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